英語学専攻

学習対象としての英語から、実践、研究対象のとしての英語へ


 近年、政治経済のみならず、文化・スポーツも含め社会のあらゆる面でのグローバル化が、急ピッチで進んでいます。インターネットをはじめとする国境を越えた情報網の発達からだけでも明らかなように、今や、国際的な交流は、特定の人だけのものではありません。こうした社会状況にあって国際共通語としての英語の重要性は高まる一方です。本専攻では、この英語という言語の特性を明らかにすること、そしてその教育とコミュニケーションを実践しかつ研究できる人材を育成することを目標としています。そのために、他に類を見ないほど多様で豊富な関連科目を開設しています。英語へのアプローチや研究の中心課題はコースにより異なりますが、各々のコースは、補い合って英語とその背景にかかわる分析、理解を可能にしています。

学生の研究興味に応じた三つのコースを用意

コース名

内        容

英    語    学

 
英語の文法現象に言語理論からアプローチ

 語学学習のための英文法ではなく、人間言語としての英語の構造体系を日本語の構造体系とも比較しつつ明らかにしていきます。

英語教育学

 
英語教育に理論と実践を通してアプローチ


 コミュニケーション能力の向上を図る英語教育のために、理論に基づく教授法や評価法など実践・応用力を養います。

英語コミュニケーション

 
コミュニケーション現象の分析からアプローチ


 英語話者の伝達と解釈のプロセスを明らかにし、英語の表現法、論理展開、説得技法を含め、コミュニケーションの理論と実践を学びます。




英語学コース  生成文法理論にもとづき英語の様々な現象を分析

 
 中学・高校等における英語教育において、英文法とは主として覚える対象であり、「なぜ英語にそういう規則があるのか?」といった疑問には答えていません。英語学コースでは、そうした疑問を大切にし、生成文法理論の分析手法を用いて、人間言語の普遍性の観点から英語の構造体系を明らかにしていきます。これまで英語の規則として暗記してきたことの背後に人間言語の必然という「からくり」が隠されていることを発見するのは研究という知的作業の醍醐味です。英語の文法体系の把握は同時に日本語との比較対照にもおよびます。このコースで学ぶ研究分析の手法や思考法は、博士後期課程での研究はもちろん、英語・日本語教育をはじめ、言語にかかわる様々な応用分野での研究活動に不可欠な基盤を提供します。


英語教育学コース  実践力・応用力のある英語教育のスペシャリストを養成

 
 現在、日本の英語教育は、早期英語教育の必要性が論じられたり、コミュニケーション能力重視の方向への転換が図られるなど、大きな変化をとげつつあります。その結果、第二言語習得理論を基盤とした英語教授法や評価法など、実際の指導に直結した科目の重要性はますます高くなってきています。本コースでは、このような状況に対応できるように、カリキュラムを拡充させています。

 本コースの目標は、学生自身のコミュニケーション能力の向上、教える内容としての英文法や英語についての知識を新しい視点からそれぞれの教育現場のニーズに対応して体系化できる応用力の育成、そしてこれらの力を兼ね備え、これからの英語教育を担う創造性と実践力のあるスペシャリストの養成にあります。所定の科目を修得すれば教育職員専修免許状(英語)が取得できます。

英語コミュニケーションコース  コミュニケーション・スペシャリストの養成

 
 人間は他者との関係で生きており、コミュニケーションを不断に行っています。ですから、コミュニケーションの研究は、人間の行動全てに関わり、言語学、社会学、心理学、教育学をはじめ多くの学問領域にまたがる学際的研究であるといえるでしょう。今日、社会のグローバル化に伴い、外国語教育や国際的な交渉の場におけるコミュニケーション能力の向上が強く叫ばれています。本コースでは、広範囲にわたるコミュニケーション研究の中でも、英語による伝達と解釈をめぐるプロセスに焦点をあて、理論と実践の両面から徹底して学びます。そして、研究者のみならず、創造的な授業を展開できる教員、社会の多方面で活躍でき
るスペシャリストの育成をめざします。