大学院(金・6)時間割表へ
    言語科学演習A
  
HASEGAWA NOBUKO 
長谷川 信子
2単位 
  
通年 
91303010

 私は、研究者・教育者として、理論言語学、英語学、日本語学、英語教育(TESL)、日本語教育、つまり、本研究科の専攻・コース(英語コミュニケーションコースについては、専門とは言い難いが)のどれとも関わってきた背景を持つ。各々の分野に専門特化することも重要だが、言語研究・教育においては、言語がヒトの認知基盤の大本であることを考えれば、そのどの分野とも関わることのできる学際的視点を持つことも重要と考える。特に、今世紀に入り、学問分野は、先鋭化すると同時に、これまでの分野の縦割り化が見直されつつあり、その中心的位置にあるのが、脳科学等とも関わる「言語の研究と教育」にあると言っても過言ではない。
 本演習では、先ず、「言語の研究と教育」について学際的視点を形成し、その上で、学生各々の背景と興味に目配りしつつ、「言語学」「英語学」「日本語学」「英語教育(小学校英語教育も含む)」、「日本語教育」の分野で、私の知見が最大限活用してもらえるよう、また、学生同士各々が、その背景・得意・興味からお互いに学び合えるよう、授業を展開したい。
 本演習で培いたい最も重要な「研究姿勢・技術」は、どの分野であれ、「考察の視点・立場」を明確化し(理論的視点)、「考察対象・問題点」を整理し(分析・記述的視点)、「整合性の取れた分析・体系」へと展開する(論証、統合)できるようになることであり、それは、修士研究(論文執筆)の基本である。関連論文を読みこなし、発表、討議、論文化する過程を通して、自らの研究や考え方を先行研究や他の考察との関係でしっかり位置づけることができるように訓練する。

評価方法: 授業での発表、討議。宿題や小レポート。期末レポート。

テキスト名: 受講者の背景、研究興味などを勘案し、学期の初めに決定する。

授業計画――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
1. 受講者の背景、研究興味、分野を把握し、各々の受講生に効果的かつ、全員にとっても有意味な文献をリストし、各々の担当した論文を発表・討議する。1回おきに、長谷川が、関連分野・研究について講義する形で授業を進める。
2. 機会を見て、分野の動向、学会「要旨」の書き方、論文の書き方(英語の論文、日本語の論文)、口頭発表で気をつける点、などを含め、研究者、教育者として「一本立ち」するための基本姿勢についても、伝えるべきことは伝えたい。