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    民法概論I
  家族法・民法(経済法)の基礎理論
TAKAHASHI AKIHIRO 
高橋 明弘
2単位 
1〜4 
前期 
50405000

 民法概論講座は、法と経済という二つの視点から、民法・経済法(独占禁止法)に関する基礎知識を修得しつつ、社会生活で生じる現代的課題にどのように対処すべきかについて検討します。
 講座では、日本の民法・独占禁止法についての基礎理論(法的三段論法、法解釈、法律要件と効果、法律行為、近代市民法原理・原則そして競争原理など)を解説し、民法で規定される家族関係や社会生活における財産所有・契約取引関係だけでなく、現代的で特殊な取引、労働・社会福祉・環境そしてこれらの相互の関係について、履修生が、法律学と経済学等の視点から検討し得る能力を涵養することに最終目標を置きます。この目標は、刑事事件の裁判員制度に選任された履修生に求められる能力とほぼ一致します。
 民法概論では、まず民法の全体に共通する基本構造および基本原理(法的三段論法、法解釈、法律要件と効果、法律行為、近代市民法原理・原則)を学びます。つぎに、家庭生活を営む中で社会最小集団単位である家族には、どのような法律関係が発生するのかについて学びます。
 具体的に説明すると、主に、親族分野では、親族関係の発生から消滅までに生じる権利義務関係について講義します。現在では、AIHとかAIDといった生殖医療(人工授精)技術が、親子関係の発生や認定にまで影響するようになってきています。そこで、日本の判例を題材に、この問題をとり上げてみたいと思います。
 相続分野では、相続人が遺産分割によって受ける相続財産額を民法の計算式に従って算出する訓練を、判例・学説を通じて行います。
 民法・経済法の全体像を理解するために、前期民法概論と後期民法概論を通して受講するようお薦めします。

評価方法:  前期末試験80%および平常点20%を総合して評価したいと思いますが、第1回目のガイダンスにおいて、履修生の意見を尊重し相談しつつ、成績評価方法を決定したいと思います。

テキスト名: 山川一陽よくわかる家族法日本加除出版2006
六法(セレクト六法・ポケット六法など)岩波・有斐閣など2010

参考文献: 山川一陽親族法・相続法講義日本加除出版2005

   民法概論は、民法の総論(総則、物権、債権の基礎)を基礎に家族法を中心に講義します。「よくわかる家族法」は、日常生活において知っておきたい項目を平易に解説しています。「親族法・相続法講義」は、同一著者による専門解説書です。どちらも、女性編集者によって編集されたお薦めの良書です。民法総論の基礎事項についてはレジメを配布します。

注意事項: 1講義の進行は、六法の条文を参照しつつ解説する方法をとりますので、講義には、六法(ポケット六法、セレクト六法、その他の六法)の最新版を必ず携帯して下さい。
2配布したレジメについては、各自でファイルして綴り、講義の際に必ず持参して下さい。
3民法概論では、民法・経済法全体に共通する基礎理論(原理原則など)を講義します。したがって、民法概論の受講を希望する学生は、民法概論を必ず履修して下さい。

授業計画――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
1. 年間授業の計画
  前後期の民法概論と独占禁止法の講義内容(社会生活と民法・独占禁止法、権利・義務)を説明します。
 
2. 民法とはどのような法律か、「物権」と「債権」、法律行為とは:第1講座
3. 法律行為の成立要件、有効要件、効力発生要件、権利の主体(代理・介護制度)と権利の客体(「物」):第1・第3・第19講座
4. 現代家族法の特色(親族間の生活扶助の義務について):第20・第21・第22講座:夫婦関係の形成(婚約→婚姻):第2・第3・第4・第5・第6
5. 夫婦関係の解消(離婚):第7・第8・第9講座、親子関係(実子関係):第11講座
6. 親子関係(実子関係・養親子関係そして特別養親子関係の異同、その法律効果として親権・監護権・扶養(生活保持の義務)・相続などについて):第11・第12・第13・第14講座
7. 親子関係(実子関係・養親子関係そして特別養親子関係の異同、その法律効果として親権・監護権・扶養・相続などについて):第15・第16・第17・第18講座
8. 相続の対象となる財産権の解説
9. 現代相続制度(相続の発生、相続人、相続順位、相続分について):第10・第23講座 ※相続制度については、具体的に相続財産を設定して説明するので計算を行いつつ理解してほしい。
10. 現代相続制度(夫婦関係の形成が親子関係および兄弟姉妹関係の形成に及ぼす影響=相続の発生、相続人、相続順位、相続分について):第10・第23講座
11. 現代相続制度(相続の発生、相続人、相続順位、相続分について):第10・第23講座
12. 現代相続制度(相続の承認と放棄、寄与分、遺産分割など):第23・第24講座
13. 現代相続制度(特別受益者の相続分、特別縁故者のへ財産分与):第26・第28講座
14. 遺言制度(遺言の種類と手続、遺留分と減殺請求):第25・第27講座
15. 前期授業のまとめ、前期末定期試験について説明。