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    日本社会論I
  辺境から見た日本社会
TSUCHIDA HIROSHIGE 
土田 宏成
2単位 
1〜4 
前期 
50403300

東京から1000km離れた太平洋上に浮かぶ小笠原諸島を取り上げ、日本とその社会について考える。
江戸時代の小笠原は無人島だった。遭難した日本人が流れ着くことはあったが、19世紀に最初に定住したのは日本人ではなく、日本近海で捕鯨に従事していた欧米系、南方系の人々だった。イギリス船長が領有宣言をしたこともある。日本を開国させるためにやってきたペリー艦隊も、来日前に小笠原に立ち寄っている。小笠原は日本の領土ではなかった可能性もあった。日本領と確定してからも、小笠原は日本では珍しい多民族社会となった。こうした小笠原の特徴から、日本社会を逆照射し、日本社会に対する理解を深める。

評価方法: 期末レポート、授業への取り組み方により評価する。

テキスト名: 授業中に紹介する。

注意事項: 定員を100人程度とする。定員を大きく超えた場合は、初回授業において受講票により抽選を行うことがある。

授業計画――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
1. 小笠原はどういうところか:片道25時間かかる「東京都」。
2. 幕末以前:無人島の「発見」、日本人漂流民、欧米系住民、南洋系住民
3. 幕末〜明治期:小笠原が日本領となるまで
4. 大正期:第一次世界大戦と南洋諸島の獲得、小笠原の要塞化
5. 昭和戦前期:昭和天皇の小笠原行幸
6. 昭和戦前期:小笠原の産業と日本人の食卓
7. 昭和戦前期:日本の南進と小笠原への関心の高まり
8. 太平洋戦争期:戦争と小笠原1、「硫黄島の戦い」ほか
9. 太平洋戦争期:戦争と小笠原2、「硫黄島の戦い」ほか
10. 昭和戦後期:アメリカ統治下の小笠原
11. 昭和戦後期:小笠原の本土復帰
12. 昭和戦後期:本土復帰後の小笠原
13. 現在:世界自然遺産登録に向けた動き
14. 現在:島の各所に残る戦争遺跡
15. まとめ