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    比較文明論I
  地球規模の課題と「世界遺産」
AIKAWA-FAURE NORIKO 
愛川-フォール 紀子
2単位 
1〜4 
前期 
50301500

ユネスコが指定した「人類共通の遺産」と見做される世界遺産は890にものぼる。内訳は、文化遺産が
689物件、自然遺産が176物件、文化遺産とも自然遺産とも見做される「複合遺産」は25物件登録され
ている。その中で地球温暖化による自然災害や環境汚染、武力紛争、また道路、橋、飛行場建設、都市開発計画や過度の観光開発等の開発事業によってその遺産の生存が危ぶまれ、緊急に保護措置を取る必要があるものが「危機遺産リスト」に指定される。今日31ある「危機リスト」の世界遺産は、地球規模の課題である『温暖化』『紛争』『開発』等に直接関連している。その相関関係を実例に沿って考察し、地球規模の課題に挑戦する。また2009年に日本がフランスと共に推薦したが、登録はならず、「情報照会」とされ、2010年に追加資料を提出して、再推薦することになる「国立西洋美術館」を見学する(必須)。学期末には、学生各自の故郷または身近にある文化又は自然遺産を危機遺産に模擬推薦してみよう。各学生は登録申請書類を作成し発表する。(PPT使用)。討論による積極的参加を期待する。  


評価方法: 出席状況、発表、クラス討論への参加状況、レポート

テキスト名: 愛川紀子監修、古田陽久世界遺産入門シンクタンクせとうち総合研究機構、2007
古田陽久世界遺産ガイド危機遺産編シンクタンクせとうち総合研究機構、 2006年

授業計画――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
1. ユネスコの文化遺産自然遺産保護活動の歩み
2. 世界遺産条約の成立過程
3. 日本の文化自然遺産保護制度
4. 世界遺産とは何か?何を目的としているか?
5. 世界遺産の登録過程、登録基準
6. 危機遺産はどの様に指定されるか? どのような問題が原因となるか?
7. 危機遺産リストー民族紛争:エルサレム旧市街と城壁、コンゴの危機遺産に指定された5つの国立公園、
アフガニスタン バーミヤン渓谷の文化的景観と考古遺跡
8. 危機遺産リストー開発とのトレードオフ(過度の観光開発を含む):コルディルェラの棚田、ザビドの歴史都市、 ガラパゴス諸島
9. 危機遺産リストー温暖化:サンダバーン公園(バングラデッシュ、危機遺産ではないが),チャンチャン遺跡(ペルー)、グレートバリアリリーフ(危機遺産ではないが)、サガルマータ国立公園(ネパール エヴェレスト山麓)(危機遺産ではないが)
10. 日本の文化自然遺産世界遺産登録申請に関する問題点ー石見銀山、平泉、国立西洋美術館
11. 国立西洋美術館見学
12. 国立西洋美術館見学
13. 学生発表
14. 学生発表