後期(火・4)時間割表へ
    言語哲学II
  芸術と記号現象
HIKASA KATSUSHI 
樋笠 勝士
2単位 
1〜4 
後期 
50100700

 前期は、一般記号論の基礎とその応用としての文化記号論を論じた。後期は、一層、具体的な意味論的な領域に入って、領域を狭めて芸術記号論の理解を深めたい。
 具体的には。先ず、芸術ジャンル上の意味論的差異がどのようなものであるのかについて論じたい。音楽作品の「意味」は、絵画作品の「意味」と同じであると言うわけにはいかないであろう。では、前者の線的時間的表現で意味されるものと、後者の面的空間的表現で意味されるものとは何がどのように異なっているのであろうか。それは言語の場合と比較したとき、どのような意味論的差異をつくっているのか。これらの問題を具体的な作品において検証しつつ論じていきたいと思う。

評価方法: 出席点、リアクションペーパー、試験等にて総合的に評価します。

テキスト名: 授業中に紹介します。

注意事項: 積極的に参加してください。

授業計画――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
1. 言語学と哲学と言語哲学(導入)
2. 記号論の原理的な理論(前期の総括)
3. 文化現象と、その中における芸術現象の特異性
4. 意味論の問題・・・統語論/意味論/語用論の問題
5. 芸術作品の「意味論」の問題・・・ジャンルの問題
6. 事例研究1
7. 事例研究2
8. 事例研究3
9. 事例研究4
10. 事例研究5
11. 記号論的視点と解釈学的視点の相克と協働
12. 現代芸術の意味論と、その「開かれた」性質
13. 記号論と芸術記号論(まとめ)