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    心理言語学A
  
TERAO YASUSHI 
寺尾 康
4単位 
2〜4 
集中 
50100201

目的:言葉の研究を通して心の仕組みや働きを探る「心理言語学」という領域とその課題・方法への理解を深める。前半は研究小史と言語の獲得を中心に、後半は発話や理解についての研究を中心に幅広い視点から言語をみる目を養いたい。
概要:語彙の獲得(例:子ども達はどのようにものと名前を結びつけるのか、名詞と動詞はどう区別するのか、主語や目的語はどのように付与されるのか)と使用(例:発話にあたって語彙はどのように心の辞書から引き出されるのか)をめぐる課題について子どもの自然発話や成人の言い誤りなどのデータに基づいて実証的に迫りたい。

評価方法: レポート70%、授業中の課題を含む平常点30%を目安として総合的に評価する。

テキスト名: 寺尾康言い間違いはどうして起こる?岩波書店2002

授業計画――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
1. ヒトの言語の記号としての特徴
2. ヒトの言語の起源
3. ヒトの言語の進化
4. ヒトの言語、チンパンジー/ボノボの「言語」
5. 研究史1 フロイト(精神分析)からソシュール・スキナー(行動主義・構造主義)まで
6. 研究史2 認知革命
7. 研究史3 生成文法理論の登場とその検証
8. 研究史4 生成文法理論の進展と心理言語学
9. 研究史5 実験で心を覗く、機械で脳を覗く
10. 研究史6 最新の動向1 認知言語学的アプローチ
11. 研究史7 最新の動向2 ダイアリーデータの面白さ
12. 言語獲得1 課題と方法
13. 言語獲得2 文法範疇と文法関係の獲得
14. 言語獲得3 事物名称の獲得と制約理論
15. 言語獲得4 ECMモデル
16. 言語獲得5 所格構文の獲得
17. 言語獲得6 談話的知識の獲得
18. 言語と認識 色彩語の研究
19. 心内辞書の構造と機能1 課題と方法
20. 心内辞書の構造と機能2 探査モデルと相互活性化モデル
21. 言い間違いの言語学1 定義と収集
22. 言い間違いの言語学2 分析の実際
23. 言語産出1 課題と方法
24. 言語産出2 研究小史フロムキンからレフェルトまで
25. 言語産出3 文法的符号化と与格構文
26. 言語産出4 音位転倒はどうして起こる
27. 心理言語学と音韻単位1 歌謡と音節・モーラ
28. 心理言語学と音韻単位2 発話単位の実在性