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スペイン現代史II スペイン現代社会と福祉 |
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スペイン社会は民主化以降の35年間で劇的な変貌を遂げた。その変貌をみるひとつの切り口として、福祉国家がある。第二次大戦後の30年間、多くのOECD諸国は、政府の積極的な介入により雇用と経済成長を確保し、経済成長の成果を再分配し、基本的な福祉サービスを供給する体制を整えた。こうした福祉国家は、70年代後半から低成長経済への移行にともない財政難に陥り、再編の時代を迎えることになるが、スペインではまさにその時代に福祉国家の形成が始まったのである。本講義では、福祉国家に関する前提議論をふまえ、スペイン福祉国家の形成過程、制度と特徴、改革の方向性を周辺諸国との対比から把握する。同時に、少子高齢化、家族のあり方や女性の生き方の変容、移民の増加など、先進諸国に共通する社会的変化との関連性や課題についてスペインの事例を分析し、日本の問題についても考える糸口を提供する。 |
評価方法: | 出席点 30点 レポート10点 筆記試験 60点 |
参考文献: |
碇 順治『ヨーロッパ読本 スペイン』河出書房、2008年 川成 洋、坂東省次『現代スペイン読本―知っておきたい文化・社会・民族』丸善株式会社、2008年 坂東省次、戸門一衛、碇 順治『現代スペイン情報ハンドブック』三修社、2007年 |
適宜プリントを配布する。基本的に日本語もしくは英語文献を用いるので、受講にあたってスペイン語力は問わない。 |
注意事項: | 福祉国家を比較する観点から講義を行うので、福祉をめぐる政治や社会問題に関心のあるスペイン語学科以外の学生にも受講を勧める。 |
授業計画―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― |
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