前期(月・2)時間割表へ
    スペイン現代史I
  スペイン現代政治
NAKAJIMA AKIKO 
中島 晶子
2単位 
2〜4 
前期 
43400300

スペインは今や民主主義国家として定着しているが、36年間続いた独裁体制が終焉してからまだ35年を経たにすぎない。本講義では、19世紀から現代までのスペインを主にヨーロッパの動向と合わせて概観したうえで、民主化後のスペイン現代政治の歩みを比較政治の視点から追っていく。スペインの中央と地方の関係やイデオロギー対立などの歴史的な国内問題が、民主化後、ヨーロッパ統合の影響のもとでどのように展開してきたかに着目し、ヨーロッパ地域研究の一環としてスペイン現代政治を分析する。

評価方法: 出席点 30点 レポート10点 筆記試験 60点

参考文献: 網谷龍介、伊藤武、成廣孝ヨーロッパのデモクラシーナカニシヤ出版2009
楠 貞義、ラモン・タマメス、戸門一衛、深澤安博スペイン現代史―模索と挑戦の120年大修館書店1999
戸門一衛スペインの実験―社会労働党政権の12年朝日新聞社1994
碇 順治現代スペインの歴史―激動の世紀から飛躍の世紀へ彩流社2005

  授業中に適宜プリントを配布する。基本的に日本語もしくは英語文献を用いるので、受講にあたってスペイン語力は問わない。

注意事項: 比較政治、ヨーロッパ地域研究の観点から講義を行うので、政治や社会問題に関心のあるスペイン語学科以外の学生にも受講を勧める。

授業計画――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
1. スペイン現代政治をみる眼―民主化、分権化、ヨーロッパ化
2. 19世紀ヨーロッパとスペイン
3. 第二共和政と内戦
4. フランコ体制
5. 民主化へのプロセス
6. 地域主義と自治州
7. 政党システムと利益団体
8. 社会労働党政権の政策とEC加盟
9. EUの拡大と分権の進展
10. 国民党政権の政策とヨーロッパの通貨統合
11. イラク戦争、移民への対応
12. 社会労働党政権の成立と政策転換
13. 家族、ジェンダー、介護問題への対応
14. 外交政策
15. まとめ