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    中国思想概論II
  
YAMASHITA KAZUO 
山下 一夫
2単位 
1〜4 
後期 
42303400

 「中国思想」などと言うと、「偉大な古典」と言っていきなり「思考停止」してしまうか、あるいは「今の中国とは関係ないから」「テツガクなんて難しいものは嫌いだから」と言って省みないか、どちらかの立場を取る向きが多いのではないかと思います。しかし、両者はどちらも誤った考えであると言わざるを得ないでしょう。なぜなら、中国思想は決して無条件に受け容れられる「偉大な思想」などというものではありませんし、また現代の中国を考えるに際しても重要な要素を提供するものだからです。
 また、思想を学ぶときは、自分自身の問題に引き寄せて考えることが大切です。自分が今悩んでいること、解らないことというのは、長い人類の歴史の中ですでに誰かが向き合ってきたもので、しかももしかしたらそれを解決する糸口を誰かが提示してくれてきたかもしれないものです。他国で展開されてきた「思想」を学ぶことは、そうした点でも大変に意味のあることです。
 本講義では、宋代から民国までの中国思想の展開について概観しながら、個々の問題について受講生と一緒に考えて行きたいと思います。

評価方法: 平常点および定期試験。

テキスト名: テキストおよび参考文献については最初の授業でガイダンスをします。

授業計画――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
1. はじめに
2. 宋元(1)禅宗の成立
3. 宋元(2)禅宗の展開
4. 宋元(3)浄土思想
5. 宋元(4)新道教の成立
6. 宋元(5)新道教の展開
7. 宋元(6)朱子学と陽明学
8. 明清(1)キリスト教と典礼問題
9. 明清(2)羅祖と無生老母信仰
10. 明清(3)考証学と公羊学
11. 民国(1)五四運動と『新青年』
12. 民国(1)三民主義と毛沢東思想
13. 民国(2)儒教・仏教の「近代化」
14. まとめ
15. 試験