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    英国研究入門II
  今日のイギリス-その国家と社会:発展編
AKIMOTO TOMIO 
秋本 富雄
2単位 
1〜4 
後期 
41402000

この講義の目的は、1980年代以降大きく変わりつつあるイギリス社会の現況と問題点を、多面的に理解してもらうことにあります。授業では、(1)市民と政治、(2)司法制度、(3)地方自治、中央ー地方政府間関係における制度改革の状況、(4)経済、(5)社会福祉制度、(6)EU統合問題、(7)文化とライフスタイルなどのテーマを取り上げ、イギリス社会の構造的変容状況を明らかにしていく予定です。なお、折に触れ、講義項目の理解を深めるために、歴史的背景やアップ・トゥー・デイトなトピックも扱っていく予定なので、授業の項目・進度に変更の出る可能性があります。

評価方法: 原則として定期試験およびレポートによる評価。

参考文献: 岡山勇一、戸澤健次サッチャーの遺産晃洋書房2001
梅川 正美、阪野 智一、 力久 昌幸現代イギリス政治成文堂2006
John McCormick, Contemporary Britain, Palgrave, 2007

  講義はレジュメを中心に進めていくので、指定テキストはありません。
John McCormickの著書は、この講義のプログラムを作成するうえで参考にしたもので、初学者/一般成人読者向けのスタンダードなテキストとして推奨できるものです。

注意事項: この講義は、1セミスターで完結したプログラムとなっていますので、英国研究入門1で扱った事項を、繰り返し説明することはしません。英国研究入門1を受講せず、この講義だけを単独で受講する人は、講義初日に紹介する参考文献等で、不足している部分を(自分自身で)補ってもらう必要があるかもしれません。いずれにしても、英国研究入門1を合わせて受講することによって、イギリス社会の基本構造を、包括的に理解することが可能となります。

授業計画――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
1. 市民と政治
:選挙制度
:イギリスの政党政治
:参加/政治的無関心
2. イギリスの司法制度
:裁判制度
:法曹職の特色
:司法と市民(司法改革の現在)
3. イギリスの地方政府
:カウンシル制度
:労働党政権による地方政府改革の現状
4. ナショナリズムとデボリューション
:スコットランドとウェールズにおけるデボリューション
:北アイルランド問題(自治政府の再生)
5. イギリスの経済
:「 イギリス病」を脱したイギリス経済
:イギリスにおける格差問題
:金融クライシスその後
6. 福祉国家イギリスの変貌
:福祉国家体制の再検討
:高齢化と医療・年金制度
7. EU統合と英国
:ユーロ参加問題
:東方拡大以後のEUとイギリスの態度
8. 文化とライフスタイル
:イギリスの教育制度
:マス・メディアとイギリス文化事情
:「イギリス人」の宗教生活