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    英語学概論H
  
HASEGAWA NOBUKO 
長谷川 信子
4単位 
1〜4 
前期 
41100108

 ヒトが身体的に特別恵まれているわけではないのに、地球上のどの生物より、「繁栄」できたのは、情報を正確に伝達・記録し、どんな複雑な思考も表現することを可能にする「ことば」も持っているからです。本講義では、ことばの1つである英語を通して、人間のコミュニケーション、知的活動、社会活動が、いかに「言語の持つ規則性と特性」に負っているかを概観します。そうすることにより、「真に言語(英語)が使えるようになる」とはどういうことかを、改めて認識し、大学で英語を学ぶことの意義・重要性が確認できるでしょう。前半は、「ことば(英語)」を学ぶとはどういうことかという問いから出発し、英語の変遷、英語の「語」「句」「文」の構造を考察し、高校までの「覚える英語の規則」ではない、「ヒトの知的認知体系を司るシステムに見られる規則性を探し出す」という言語学的視点から英語を考えます。後半は、文の意味と運用、ことばと社会、英語の音の体系と方言の違い、言語と脳、言語習得など、「ことば」に関わる様々な事象を、「英語」の観点から考えます。
 テキストは英語で書かれており音声CDも付いています。講義はその内容をさらに深める形で進みます。英語で「骨のあるアカデミックな内容」を把握できるようになることは、大学の英語、真に英語を使えるようになるための入り口です。各章毎に「理解の確認」と「練習問題」が日本語でありますので、自分の英語での理解をチェックできるでしょう。十分な予習と復習が求められますが、それを確実にやれば、英語学・言語学の理解が深まると共に、一段上の英語の使い手となれる筈です。

評価方法: 中間試験(30%)、期末試験(40%)、出席(10%)、クイズと宿題(20%)、

テキスト名: 影山太郎、ブレント・デ・シェン、日比谷潤子英語言語学の第一歩(First Steps in English Linguistics)くろしお出版2004

  テキストは平易な英語で書かれているが、内容は濃い。講義を理解し、テキストを精読すること。CDも付いているので、音声で理解できるようになって欲しい。

授業計画――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
1. ことば(英語)を学ぶとはどういうことか?
2. 第1章 言語学とは?言語研究とは?
3. 第1章 英語言語学(英語学)とは?
4. 第2章 英語の歴史(母音の変化とスペル)
5. 第3章 語の成り立ち(英語形態論)
6. 第3章 語の成り立ち(語形成、文のつなぎ要素)
7. 第4章 意味論(語の意味、意味関係、同義語、反義語、類語) 
8. 第5章 統語論(構造と関わる基本概念) 
9. 第5章 統語論(句構造と規則性)
10. 第5章 統語論(樹形図、練習問題)
11. 第6章 統語論(助動詞システム)
12. 第6章 統語論(移動現象と文の構造)
13. 中間試験
14. 第7章 意味論(文の意味、事態の意味)
15. 第7章 意味論(文の意味、構文の意味)
16. 第8章 語用論(文の運用とコミュニケーション)
17. 第9章&プリント: 音声学(英語と子音)
18. 第9章&プリント: 音声学と音韻論(英語の母音、音のつながり) 
19. 第9章&プリント: 音韻論(音の変化)
20. 第10章 社会言語学(世界の英語、英語の方言)
21. 第10章 社会言語学(アメリカ英語とイギリス英語)
22. 第11章 社会言語学(音と文法の多様性、方言と階級、)
23. 第12章 心理言語学(母語の習得)
24. 第12章 心理言語学(音の習得、文法の習得) 
25. プリント 言語と脳
26. 期末試験