後期 集中講義へ |
本を読む−37 |
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「本を読む」は、一冊の本を読みとおすことを通じて本を読む面白さ、奥深さを体験し、読書する習慣を身につけてもらうことを企図したものである。さまざまな分野の教員が自らの専門の見地から、学生に読んでもらいたい本(新書等)を推薦している。本を推薦した教員は、本に書かれていることを解説するというよりも、読者自身が感動したり気づいたりしたことを、対話によって引き出し、考えを深める手助けをする。この授業を契機として、これからの読書経験を豊かなものにしてほしい。 |
評価方法: | 面談とレポート(1200字程度、採点後返却する)。 |
テキスト名: | 中川正之『漢語からみえる世界と世間』岩波書店、2005年 |
外国語を学ぶうえで、母国語である日本語について、客観的な分析を行なうことは、とても重要である。特に、日本語は中国語から様々な影響を受けている。本書は本来中国語であった「漢語」を取り上げ、千年以上も前に日本語に取り込まれることによって、元の中国語とは意味や用法が異なっている点に着目している。このような違いについて著者は、日本語は中国語が表し分けない二つの領域、つまり「世界」と「世間」を区別することに起因していると結論付けている。説明には用例を数多く挙げており、中国語に対する知識も深まるだけでなく、日本語に対しても「なるほど!」と思えることが多々出てくるので、言語そのものに興味ある人に読んでもらいたい本である。価格は1600円+税。 |
注意事項: | この授業は、教室で定期的に行われるものではなく、本を推薦した教員と受講者との間で個別的に行われる。受講希望者に対する履修説明会を学期初めに開催する。希望者多数の場合は人数制限を行う。課題本を昨年度以前に読んだ者の履修は認めない。布川個人研究室:1号館2階 1228号室 火・木の昼休み。木の4時限。最大4,5名程度。 |