「本を読む」は、一冊の本を読みとおすことを通じて本を読む面白さ、奥深さを体験し、読書する習慣を身につけてもらうことを企図したものである。さまざまな分野の教員が自らの専門の見地から、学生に読んでもらいたい本(新書等)を推薦している。本を推薦した教員は、本に書かれていることを解説するというよりも、読者自身が感動したり気づいたりしたことを、対話によって引き出し、考えを深める手助けをする。この授業を契機として、これからの読書経験を豊かなものにしてほしい。
「本を読むー23」では、西洋哲学の歴史を変えしまい、今でも影響力が絶大なニーチェの『ツァラトゥストラはこう言った』を読みます。この本で、ニーチェは様々なメタファーをもちいて自らの哲学の真髄を伝えています。例えば、「らくだ、ライオン、子ども」は人間の存在様式あるいは生の発展の図式を表していますが、子どもが人間の生の最終目的になるとはどういうことでしょうか。それは読んでからのお楽しみです。文章は物語形式で読みやすいですが、比喩的表現が満載です。これを楽しむのもこの本を読むことの醍醐味です。楽しみ方も学べて、読書能力が増大します。これを一緒に読みましょう。
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