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本を読む−10 |
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30005110 |
「本を読む」は、一冊の本を読みとおすことを通じて本を読む面白さ、奥深さを体験し、読書する習慣を身につけてもらうことを企図したものである。さまざまな分野の教員が自らの専門の見地から、学生に読んでもらいたい本(新書等)を推薦している。本を推薦した教員は、本に書かれていることを解説するというよりも、読者自身が感動したり気づいたりしたことを、対話によって引き出し、考えを深める手助けをする。この授業を契機として、これからの読書経験を豊かなものにしてほしい。 |
評価方法: | 面談とレポート(1200字程度、採点後返却する)。 |
テキスト名: | スーザン・ソンタグ(北條文緒訳)『他者の苦痛へのまなざし』みすず書房、2003年 |
スーザン・ソンタグ(1933−2004)はアメリカの作家・批評家で、本書は2001年の講演「戦争と写真」をもとに2003年に出版された戦争の映像に関する多角的な考察である。ソンタグは、観察し、分析しようとする自己と、参加し、行動しようとする自己との間で、苦悩しつつ思索をめぐらしている。私達は、他者の苦しみがどのようなものであったか、本当には理解することはできない。ソンタグは、他者が苦しむ映像を安全なところから見る者が感じる同情は、自分が苦しみを引き起こしたものの共犯者ではないと安堵するだけの無責任な反応であると告発する。戦争の映像のもつ意義と限界、それを見る人の良心について、自分なりに考えてみよう。本体2000円(税別)。 |
注意事項: |
この授業は、教室で定期的に行われるものではなく、本を推薦した教員と受講者との間で個別に行われる。受講希望者に対する履修説明会を学期初めに開催する。希望者多数の場合は人数制限を行う。課題本を昨年度以前に読んだ者の履修は認めない。 吉村個人研究室:1224号室(1号館2階)、オフィス・アワー:金5限。 |