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    歴史学IC
  近代イギリス女性史
ENDO MIYUKI 
遠藤 美幸
2単位 
1〜4 
前期 
30000203

 この講義では、従来は歴史の表舞台に上がらない、歴史から隠された、普通の女性の歴史に焦点を当てながら、18世紀から20世紀のイギリス社会の内実を社会史的な分析方法で明らかにする。当時の絵画、小説、雑誌、映像などを史料にすることもある。また、20世紀に関しては聞き取り(オーラル・ヒストリー)も有効な歴史的史料の一つとみなす。
 この講義の特徴は、近代イギリス社会を従来の「帝国」や「階級」から分析するだけでなく、「ジェンダー」の視点からみた分析を重視している点である。最終的には、現代イギリス女性の抱える諸問題に言及しながら、現代社会に生きる女性の生き方について学生の皆さんと共に考えてみたい。女性史と命名しているが、「女性」に限定した講義内容ではないので、多くの男子学生にも気楽に参加してもらいたい。

評価方法: 数回のレポート課題の提出及び、毎回の授業の参加状況により総合的に評価する。授業の最後に質問や意見などを記入した「リアクション・ペーパー」を提出してもらう。出席が半分に満たない学生は不可となる。  


テキスト名: 特に指定するテキストはない。毎回の授業時にレジュメを配布し、参考文献は必要に応じて適宜提示する。

授業計画――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
1. 女性史研究の現状と方法―女性史は何のためにやるのか
2. 社会的規範と結婚―女性を縛った価値規範とは何か
3. 女性と慈善・福祉活動―救貧法から福祉国家へ
4. 女性と社会運動―自由と平等を求めるイギリス・フェミニズム運動の軌跡
5. ファッションと女性の解放―日英比較による「新しい女」とファッションの変化
6. 近代イギリス女性労働―男女の賃金格差の原因の一端を探る
7. 女性史の今後と現代社会につて―今後の女性の生き方について