単位 
  
  
60500116

スペイン文学史の最初に現れる叙事詩「わがシッドの歌」の有名なエピソードをいくつか読んで、13世紀のスペイン語を学び、英雄が生きたレコンキスタの時代を考える。
 「エル・シッド」は実在の人物であり、彼をたたえたロマンセーロや、彼の若きをドラマにした「シッドの青春時代」(ギジェン・デ・カストロ)というスペイン黄金時代の作品もある。これに着想を得て、フランスの大悲劇作家コルネーユが「ル・シド」を書くが、フランス文壇に大論争を巻き起こす。これをもとに、1960年代にハリウッドで「エル・シド」という映画が作られたほどである。
 スペイン語学科の学生が、レコンキスタをもっと身近に感じられるように、叙事詩の現代語訳を学生は予習してきて、私が中世のテキストを解説する。
 エル・シドに関する資料は多いので、その日本語訳を少しずつ、読んでもらいたい。

評価方法: 授業に毎回参加して、日本語の資料を読んで、学年末に提出するゼミ論を評価対象とする。

テキスト名: 牛島、福井わがシッドの歌国書刊行会1994
フレッチャーエル・シッド法政大学出版局1997
メネンデス・ピダルエル・シッド・カンペアドル文芸社2000
橋本一郎ロマンセーロ新泉社1975

  Poema de Mio Cid (A. Manent), Editorial Juventud