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近代日本文学論 西洋近代との格闘:森鴎外と夏目漱石 |
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日本近代において、西洋近代との出会いは大きな地殻変動であり、まさに「西洋の衝撃」として受けとめられた。それは当時の人々に西洋への強い憧憬や引力を生み出すと同時に、日本的伝統や慣習的な考え方とそれとの間に深刻な葛藤が生じ、人々の内面世界に緊張や分裂を引き起こすことになった。この授業では、まず西洋近代の思想構造を明らかにした上で、森鴎外と夏目漱石の作品を熟読しつつ、他動的外圧的な西洋化・近代化へのプレッシャー(個人主義、家族、ジェンダー、自律/自律、自由、内面の価値、アイデンティティ、ナショナリズムなどのテーマを考察)に身を委ねながらも抵抗せざるをえなかった近代日本の内実を検証したい。そして同時に文学的価値(想像力、喚起力、表現力など)とは何かを考えることにする。近代日本作家の双璧といえる鴎外と漱石の比較分析がこの授業の要となるので、焦点は定まりやすいといえよう。小説をしっかり読んでいろいろなことを考えながらディスカッションをしたいという意欲のある学生諸氏に集まってほしい。 |
評価方法: | 授業参加30%、中間試験30%, 定期試験(学期末)40% |
テキスト名: |
森鴎外『舞姫』角川文庫 森鴎外『高瀬舟』小学館文庫 夏目漱石『それから』新潮文庫 夏目漱石『行人』岩波文庫 |