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「国家」の存在は自然なものであり、理論的に正当化される必要のないものだと考えられる場合もある。しかし、長い政治哲学、倫理学の伝統は、ある意味で国家を正当化しようとする試みであったと見ることもできる。まして、歴史的に新しく、しかも理論的正当化作業を経て形成されてきた近代国民国家がいろいろな点で綻びを見せ始めている現在、その正統性の根拠と限界を見極めることはきわめて重要なことである。実際、「テロ」と言われるものと正当な抵抗権の行使あるいは軍隊による武力行使との違いはどこにあるのだろうか。日本においても、靖国問題や防衛論争、在日の人々や難民の処遇など、国家の正当性問題と深く関連する問題がある。 本講義では、前期の現状認識をふまえた上で、こうした点について思想史的および理論的に考察していきたい。 |
評価方法: | 毎回の理解度を測るために書いてもらう小レポートと、最後に最も関心をもったテーマに即してまとめてもらうレポートの総合評価。 |
参考文献: |
レジス・ドブレ『娘と話す 国家 のしくみってなに?』現代企画室、2002年 山内昌之『民族と国家ーイスラム史の視覚からー』岩波新書、1993年 鈴木 薫『オスマン帝国の解体ー文化世界と国民国家』ちくま新書、2000年 |
テキストは特に指定しないが、初めて学ぶ人のために分かりやすいものを参考までにあげておく。授業中にも参考文献を紹介していくので、レポート作成のためにも、興味をもったものからどんどん読んでいくこと。 |
注意事項: | 授業計画は、順序や内容について変更される場合がある。出席重視ゆえ、欠席が多い場合、最後のレポートを受け取れないことがあるので注意すること。 |
授業計画―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― |
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