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    国際経済論IB
  
KOSUGE NOBUHIKO 
小菅 伸彦
2単位 
1〜4 
前期 
50400302

第2次世界大戦後の世界経済は第一次、二次石油ショック後、1980年代の停滞はあったものの、自由な貿易と資金の移動を推進するIMF、GATT体制(ブレトンウッズ体制)のもとで国際貿易の拡大を軸に総じて順調な成長を続けてきた。東西冷戦の終焉や貿易と資金移動を通じた相互依存関係の強まりにより近年、世界経済の一体化、グローバル化が急速に進行している。他方、最近のアジア通貨危機に見られるように金融と情報通信技術の発展による世界規模の資金移動が各国経済を翻弄するなど世界経済システムの脆弱性も目立ち始めている。発展途上国の2極分解など貧困問題解決への道は遠く、GATTを発展的に継承したWTOでも各国間の利害対立などきしみが目立ち始めている。さらに、今後の世界経済の成長に対し地球環境問題など深刻な制約も存在する。
本講義では戦後の世界経済のあゆみ、地域別の経済動向と課題等を紹介すると共に、これらの基礎にある貿易、投資、国際金融、為替レート等のメカニズムを学ぶ。

評価方法: 期末筆記試験(論述)のほか、学期中に数回短いリアクション・ペーパーを提出してもらう。

授業計画――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
1. 1930年代の大恐慌と保護貿易主義、近隣窮乏化政策
2. 大恐慌の教訓とブレトンウッズ体制
3. GATT(関税と貿易に関する一般協定)と自由貿易の推進
4. 貿易利益と世界経済の発展
5. GATTのあゆみ(ケネディ・ラウンド、東京ラウンド、ウルグァイ・ラウンド)とWTO(世界貿易機関)への改組、自由貿易協定(FTA)
6. 石油ショックと世界経済の失われた10年
7. 国際金融(国際的なお金の動き)
(1)金本位制、ブレトンウッズ体制と固定為替相場制
8. 国際金融(2)ドルの動揺と変動相場制移行
9. 国際金融(3)拡大する国際金融と通貨危機
10. 国際金融(4)サブプライム・ショックと世界経済
11. 為替レートの決定要因、為替投機と為替先物取引
12. 国際収支