後期(月・4)時間割表へ
    比較思想II
  「笑い」の比較思想
UEDA KAORI 
植田 かおり
2単位 
1〜4 
後期 
50302000

修道士ホルヘ 「笑いは愚かさの徴である。イエスは決して笑わなかった。」
修道士ウィリアム 「笑いは人間の理性の徴である。イエスも洒落や諧謔を用いた。」
              (ウンベルト・エーコ『薔薇の名前』より)

 サブタイトルを見て、笑える授業を期待するかも知れないが、例えばジョークはなぜ面白いのか説明したとたんに面白くなくなるものである。この講義では、まじめに、全員にこりともせずに(?)、「笑い」の文化を相対化する。
 ここで考えたいのは、「笑い」とは何かという「笑い」の本質的な規定、「笑い」には種類があるのか、普遍的な笑いと特殊な笑いがあるとすればそれはどんな笑いなのか、特殊的な笑いが特殊文化に限定されるならば、その笑いは他の文化にとって理解できないものとして終始することになるのか、さらに、日常行為における笑いと作品化された笑いとの共通点と相違点について、「笑い」を価値づける文化と「笑い」を否定する文化について、そして、人間の本性として「笑い」を見る可能性について、などである。


評価方法: 期末試験を中心に評価する。

テキスト名: 授業内で適宜紹介する。

授業計画――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
1. イントロダクション 比較思想とは何か1
2. 比較思想とは何か2
3. 古代ギリシア文化の伝統:哲学以前
4. 喜劇の成立と展開
5. 哲学における「笑い」の反省:古代哲学の場合1
6. 哲学における「笑い」の反省:古代哲学の場合2
7. 宗教と「笑い」1
8. 宗教と「笑い」2
9. 哲学における「笑い」と反省:近現代哲学の場合1
10. 哲学における「笑い」と反省:近現代哲学の場合2
11. 「笑い」の文化相対性
12. 「笑い」の普遍性、人間本性としての「笑い」
13. 「笑い」の普遍性、人間本性としての「笑い」