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    日本倫理思想史IB
  近世の倫理思想史
KUBOTA KOMEI 
窪田 高明
2単位 
1〜4 
前期 
50300302

近現代の日本人の生き方の背後には、近世(江戸時代)の倫理観が存在する。中世までの日本人の文化は近代の日本文化とかなりの断絶を持つが、中世後期以降の文化は強い連続性を持っている。複雑な近世の倫理思想の歩みを概観する。
なお、以下の項目は、授業の回数ではなく、内容の紹介である。

評価方法: 期末に試験を行う。

テキスト名: 清水正之日本の思想放送大学教育振興会2008

参考文献: 佐藤正英日本倫理思想史入門東京大学出版会2003

授業計画――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
1. 近世以前の日本とその倫理観
仏教と儒教の意味。貴族から武士への移行。
2. 統治の時代と武士
『三河物語』にみる、武士の不満。
3. 文治の思想
朱子学の受容
藤原惺窩、林羅山、山崎闇斎の思想
4. 反朱子学の儒学
武士の現実と山鹿素行
5. 武士道の観念化
『葉隠』における武士道の観念化。武士の思想的な困難。
6. 人間主義の儒学
伊藤仁齋の思想。性善説と平等観。
7. 統治者の思想
荻生徂徠。政治の自覚。学問の方法の基礎付け。
8. 町民の思想
商業の展開と町民の思想的な自覚。
9. 日本文化の自覚
本居宣長の国学。古典研究から、神の道へ。
10. 武士の困窮
上杉鷹山の苦闘とその限界。
11. 幕末の思想
佐久間象山と吉田松陰。水戸学。