後期(火・4)時間割表へ
    言語哲学II
  rhetoricと文化現象
HIKASA KATSUSHI 
樋笠 勝士
2単位 
1〜4 
後期 
50100700

 前期の講義を踏まえて、後期では応用編の授業をします。rhetoricは最初は「弁論術」として対人的な「説得」、つまり言葉や態度のあり方を課題にしていましたが、徐々に概念が広がり、「修辞学」となると「(言葉で構成された)作品」の内部の「説得力」の問題へと展開しました。現代では、「説得」の多様な現代的展開として、例えばコマーシャルやプロモーション・ビデオが挙げられます。これは商業目的ですが、人々の購買意欲をかき立てるためには「説得」が必要です。また非商業目的ですが、芸術作品も、もしメッセージの伝達を考えるのならば説得のために提示されていることにもなるので、これも検討します。「作品」も対人的なコミュニケーションの媒体であると考えられるからです。
 後期では、具体的な映像媒体を資料として使って、できるだけ「説得」のための有用な手段を具体的に理解し、現実の問題として対応できるように、という目的で、考察したいと思っています。
 気楽に参加してみて下さい。

評価方法: 試験、出席点、平常点で総合評価します。

テキスト名: 授業中に紹介します。

授業計画――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
1. 講義の案内
2. (後期から受講する人のために)哲学と言語学と言語哲学の違い
3. 前期講義の反芻:rhetoricとは何であったか:「弁論術」と「修辞学」の違い
4. 応用編としてのrhetoricの考え方:現代の文化的多様性の問題:消費社会の問題
5. 応用編としてのrhetoricの考え方:現代の文化的多様性の問題:コマーシャリズム
6. 応用編としてのrhetoricの考え方:現代の文化的多様性の問題:モダニズムとポストモダニズム
7. 現代的レトリックの展開:「作品」概念の多様化:映像資料研究1
8. 現代的レトリックの展開:「作品」概念の多様化:映像資料研究2
9. 現代的レトリックの展開:「作品」概念の多様化:映像資料研究3
10. 現代的レトリックの展開:「作品」概念の多様化:映像資料研究4
11. 現代的レトリックの展開:「作品」概念の多様化:映像資料研究5
12. 現代的レトリックの展開:「作品」概念の多様化:映像資料研究6
13. 現代的レトリックの展開:「作品」概念の多様化:映像資料研究7
14. レトリックへの反省とその将来的な可能性の模索
15. まとめ