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    韓国経済論I
  
OKUDA SATORU 
奥田 聡
2単位 
2〜4 
前期 
44301300

1945年に日本の支配から脱した韓国は、この間目覚しい発展を遂げた。現在ではOECDへの加盟を果たし、新進気鋭の先進国としての歩みを進めている。しかし、近年では世界同時不況の影響を受けるなど、課題も少なくない。本講義では韓国経済のこれまでの発展経路を回顧するとともにその現状を概観することを目的とする。
 本講義では、朝鮮戦争後の灰燼の中からの再出発を余儀なくされた韓国経済の復興、朴政権による経済開発、民主化と労働紛争、アジア通貨危機、そして世界同時不況の影響を受ける韓国経済の現状と今後に向けての問題点などを扱うこととし、マクロ経済的観点からの内容を中心とする。また、必要な統計数値を適宜紹介しながら授業を進めていく。

評価方法: 中間レポート30%、タームペーパー(最終レポート)50%、出席・授業への貢献等20%を基本とする。

参考文献: 奥田 聡 編経済危機後の韓国-成熟期に向けての社会・経済的課題-アジア経済研究所2007
奥田 聡・安倍 誠 編韓国主要産業の競争力法政大学出版局2008
河信基朴正煕---韓国を強国に変えた男光人社2004
奥田 聡韓米FTA---韓国対外経済政策の新たな展開アジア経済研究所2007

  テキストは用いないが、参考文献については別掲のとおり。必要な資料は授業の際に配布する。

授業計画――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
1. オリエンテーション(講義概略の紹介、受講者の意向聴取など)
2. 解放後の韓国経済(日本の敗戦、朝鮮戦争後の荒廃、李承晩政権下での原始的工業発展)
3. 朴正煕政権下での経済発展(1)(「先成長・後分配」による成長推進、開発独裁、輸出主導成長)
4. 朴正煕政権下での経済発展(2)(重化学工業化と開発独裁の変質)
5. 全斗煥政権の経済運営(1980年不況後の経済健全化策、「三低」景気)
6. 政治的抑圧から民主化へ(全斗煥政権の崩壊、民主化の波と労働運動の勃発)
7. 中進国としての歩み(1990年代の自由化と国際化、過剰投資)
8. アジア通貨危機とその後(IMF体制、応急措置の奏効、急速な回復)
9. 通貨危機後の韓国経済(健闘とみるか不振と見るか、労働分配率の低下、企業経営の保守化)
10. 韓国経済の現状(1)(内需不振の継続、バブル後不動産市場の重圧)
11. 韓国経済の現状(2)(輸出頼みの成長、輸出の技術競争力が強まらないことなど)
12. 韓国経済の現状(3)(FTA戦略、米韓・日韓、韓EU等の各FTA)
13. 今後に向けての問題点(1)(世界同時不況、開放経済ゆえの難しさ)
14. 今後に向けての問題点(2)(ウォン乱高下、実物経済停滞への対応、労働問題への対応)
15. タームペーパー作成のためのアシスト・タイム