前期(金・3)時間割表へ
    ラテンアメリカ現代史I
  20世紀のラテンアメリカ
YAGINUMA KOICHIRO 
柳沼 孝一郎
2単位 
2~4 
前期 
43400900

 独立後の政治混乱期をのりこえ、19世紀末にはラテンアメリカ諸国は輸出経済発展の時代に入った。しかし外国資本に極端に依存した経済の発展によって「近代化と従属化」という相反する構造が確立され、外国資本と結びついた寡頭支配層に富と権力が集中し、政治腐敗と社会的不公正が顕在化した。ラテンアメリカ諸国は歪んだ発展に根ざす厳しい現実と深刻な問題をはらんだまま20世紀を迎えたのである。
 本講義の前期では、「アメリカ・スペイン戦争」あるいは「パナマ運河建設」に象徴される「北方の巨人」といわれるアメリカ合衆国のラテンアメリカ進出を軸に、20世紀のラテンアメリカの歴史変遷について学ぶものである。授業内容は以下のとおりであるが、適宜ビデオを鑑賞しながら授業を進める。




評価方法: レポート課題提出(50%)、ビデオ鑑賞についてのリアクションペーパー提出(30%)、授業出席などの平常点(20%)を総合して評価する。

参考文献: 後藤政子新 現代のラテンアメリカ時事通信社1993
加茂雄三 他ラテンアメリカ(国際情勢ベーシックシリーズ(9))自由国民社1999
遅野井茂雄・編冷戦後ラテンアメリカの再編成アジア経済研究所1993

  テキスト(簡易印刷)はユニポストで購入すること。

注意事項: ●ラテンアメリカ地域文化研究あるいはラテンアメリカに留学または国際協力に関心のある学生諸君、ラテンアメリカと関係するビジネス界に進むことを希望する学生諸君の積極的な参加を期待したい。
●理解をより深めるためにも、「ラテンアメリカ史概論I(前期)・II(後期)」、「ラテンアメリカ研究入門I(前期)・II(後期)」など関連する科目を履修済みか、同時履修が望ましい。

授業計画――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
1. 総論:ラテンアメリカ現代史を学ぶために

[I]20世紀への序章
    (1)独立国家形成の時代
    (2)近代化への模索
    (3)輸出経済の発展と従属構造の確立

[II]革新とナショナリズムの時代
    (1)革新勢力の台頭と労働運動
    (2)メキシコ革命:その背景と結果
    (3)国民国家の形成と反米ナショナリズム
    (4)世界恐慌とラテンアメリカ

[III]第二次世界大戦後のラテンアメリカ
    (1)ポピュリズム政権の出現:
       カルデナス政権(メキシコ)
             ヴァルガス政権(ブラジル)
             ペロン政権(アルゼンチン)

    (2)冷戦とラテンアメリカ:
              キューバ革命と「キューバ危機」
                VTR「カストロ 人生と革命を語る」
        映画「モーターサイクル・ダイアリー」
        VTR「キューバ危機」
        VTR「米国の対中南米工作」

    (3)軍事政権の時代(1960~70年代)
            ポピュリズム型政治の挫折と軍部の台頭
      VTR「チリ軍事政権の闇」
      VTR「ペルー 流血の20年~
                     ゲリラと政府のはざまで~」

    (4)危機の1980年代と民政化
       
総括:前期課題提出要領についての説明(課題テーマ一覧、
   参考図書文献一覧、課題の表紙、を配布する)