前期(木・1)時間割表へ
    現代スペイン文学I
  
HONDA SEIJI 
本田 誠二
2単位 
2〜4 
前期 
43300500

この授業の目的は、スペインとスペイン人の本質を、現代文学を通じて問い直すことにある。そのために第二の黄金世紀ともいうべき、二十世紀初頭の「98年の世代」の作家たちからはじめ、ゴンゴラの再評価をきっかけに生まれた「27年の世代」の詩人たち、および近代スペイン最大の悲劇たる内戦(1936〜39)後の亡命知識人の活動に焦点を当て、さらにフランコ以後に民主化された自由なスペイン、ヨーロッパ統合後の今日のスペインの作家たちの動向に目を向けていく。主として扱う作家はアソリン、ミゲル・デ・ウナムーノ、ガルシア・ロルカ、アントニオ・マチャード、バーリェ・インクラン、カミーロ・ホセ・セーラ、アメリコ・カストロ、フアン・ゴイティソロ(1931--)などである。 

評価方法: 出席と発表を重視する。各自が問題意識をもってスペイン現代文学の代表作品に取り組むこと。

テキスト名: 本田誠二スペイン現代文学入門私家版2009

授業計画――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
1. オリエンテーション 何が問題か?
2. 「98年の世代」アソリン『小さな哲学者の告白』
3. ウナムーノ『スペインの本質』―生粋主義をめぐって、『ドン・キホーテとサンチョの生涯』
4. オルテガ・イ・ガセー『無脊椎のスペイン』『大衆の反逆』
5. アントニオ・マチャード『カスティーリャの野』『アルバルゴンサーレスの土地』『フアン・デ・マイレーナ』
6. バーリェ・インクラン『ソナタ(四部作)』
7. 「27年の世代」ガルシア・ロルカ『血の婚礼』ほか
8. ラファエル・アルベルティ
9. フアン・ラモン・ヒメーネス『プラテーロと私』
10. ルイス・セルヌーダ
11. スペイン内戦と亡命知識人・作家たち(その1) アメリコ・カストロ
12. (その2)カミーロ・ホセ・セーラ『蜂の巣』『パスクアル・ドゥアルテ』
13. (その3)フアン・ゴイティソロの小説三部作『身分証明』『フリアン伯の復権』『土地なきフアン』
14. (その4)ルイス・マルティン・サントス『沈黙の時』
15. (その5)アメリコ・カストロとゴイティソロの『書簡集』