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    スペイン語翻訳法I
  
HONDA SEIJI 
本田 誠二
2単位 
2〜4 
前期 
43200100

この授業は、主としてさまざまな分野のスペイン語文献をいかに実用的かつ美的に(つまりきちんとした形で)日本語に訳していくべきかを、理論と実践の両面から探っていくことを目的としている。そのための手段として、個々の文学テクストがどのように訳してあるかを例示し、訳文のもつ問題点を指摘して、よりふさわしい訳文を見出すように努める。またやさしいスペイン語テクストを実際に翻訳して、実践的な翻訳能力を身につけることを目標とする。検討する対象テクストはスペイン文学の古典『ドン・キホーテ』からガルシア・ロルカに至るさまざまなジャンルである(詩、散文、小説、演劇)。日本文学がどのように翻訳されているかも詳細に検討するつもりである。なおオクタビオ・パスの翻訳論を中心にすえて理論的な面での講義も行う。

評価方法: 筆記試験、小レポートおよび出席点による。

テキスト名: 本田誠二スペイン語翻訳法 私家版2009

参考文献: 別宮貞徳翻訳と批評講談社学術文庫1995
別宮貞徳翻訳読本講談社現代新書1979

  テキストは授業開始時に小冊子として配布する。翻訳について書かれた本は多くあるので、最初の授業時に主要な参考文献を紹介する。また今まで読んだ翻訳で気に入ったものがあれば、それを題材として具体的に翻訳について考えることができるので、前もってそうした翻訳を探しておくことが望ましい。

注意事項: この授業は翻訳の実践面を重視するので、毎回与えられたテクストの翻訳の提出が求められる。

授業計画――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
1. オリエンテーション 翻訳とは何か(『ドン・キホーテ』冒頭の翻訳例)
2. 翻訳文化と日本語 (夏目漱石『我輩は猫である』にみる日本語の特性)
3. 翻訳語の特性 (オスカー・ワイルド、アンドレ・ジッドの翻訳)
4. 翻訳のもつ問題点 (オクタビオ・パスの翻訳論 その1)
5. 翻訳のもつ問題点 (オクタビオ・パスの翻訳論 その2)
6. 世界の主な翻訳論・言語論 (翻訳ははたして可能か否か)
7. スペイン語と日本語 (ガルシア・ロルカの詩の翻訳)
8. 日本文学の翻訳 その1 (松尾芭蕉『奥の細道』の翻訳)
9. 日本文学の翻訳 その2 (紫式部『源氏物語』の英訳、スペイン語訳、フランス語訳)

日本文学の翻訳 その2 (紫式部『源氏物語』の英訳、スペイン語訳、フランス語訳)
10. 日本文学の翻訳 その3 (和歌の翻訳)
11. 日本語の難しさ (やまと言葉と漢語)
12. 日本文化と翻訳語 (翻訳語のカセット効果)