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ポストモダンの映画『恋に落ちたシェイクスピア』は、劇(フィクション)が愛の真実を語ることは可能かという賭を中心に展開する。主人公ふたりは賭に勝つが、映画のなかでの話だ。しかし、この映画自体がそもそも『ロミオとジュリエット』、『ヴェローナの二紳士』、『ソネット』、『ハムレット』、『十二夜』等からの引用をちりばめた、相互テクスト的なフィクションである。愛は、各テクストからの巧みな引用によって、まさに「フィクション」として表象されている。だが、たとえば、昔から繰り返し使われてきたことば「アイ・ラヴ・ユー」を引用せずに、愛を語ることは可能だろうか。
映画のシナリオとつきあわせて、シェイクスピアの作品を参照しながら、各テクストの「愛」の引用を分析して、愛の表象の可能性を相互テクスト性の問題から考える。

テキスト名: Marc Norman and Tom Stoppard, Shakespeare in Love, 松柏社, 2000

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