後期 集中講義へ
    本を読む−37
  
YOSHIMURA TOSHIKO 
吉村 稔子
1単位 
1〜4 
後期 
30005137

「本を読む」は、一冊の本を読みとおすことを通じて本を読む面白さ、奥深さを体験し、読書する習慣を身につけてもらうことを企図したものである。さまざまな分野の教員が自らの専門の見地から、学生に読んでもらいたい本(新書等)を推薦している。本を推薦した教員は、本に書かれていることを解説するというよりも、読者自身が感動したり気づいたりしたことを、対話によって引き出し、考えを深める手助けをする。この授業を契機として、これからの読書経験を豊かなものにしてほしい。

評価方法: 面談とレポート(1200字程度、採点後返却する)。

テキスト名: 今橋映子フォト・リテラシー 報道写真と読む倫理中央公論新社(中公新書)2008

  本書は所謂ドキュメンタリー写真について、読む側が社会的文脈から批評、判断する倫理について論じたものである。第一部「写真は真実か?」第二部「写真の流通現場」では、二十世紀の写真史を簡潔に知ることができる。第三部「読む倫理のために」では、ドキュメンタリー写真はドキュメンタリー・スタイルのアートでもあるという立場から、オリエンタリズムやヒューマニズム、「世界の悲惨」などの写真を、歴史認識において「不可能だが不可欠」なものと考察している。本書を手がかりに、フォト・ジャーナリズムと写真メディアとの関係について、自分なりに考えてみよう。本体780円(税別)。

注意事項: この授業は、教室で定期的に行われるものではなく、本を推薦した教員と受講者との間で個別に行われる。受講希望者に対する履修説明会を学期初めに開催する。希望者多数の場合は人数制限を行うことがある。課題本を昨年度以前に読んだ者の履修は認めない。
吉村個人研究室:1224号室(1号館2階)、オフィス・アワー:金5限。