後期 集中講義へ |
本を読む−35 |
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「本を読む」は、一冊の本を読み通すことを通じて、本を読む面白さ、奥深さを体験し、読書する習慣を身につけてもらうことを企図したものである。さまざまな分野の教員が自らの専門の見地から、学生に読んでもらいたい本(新書等)を推薦している。本を推薦した教員は、本に書かれていることを解説するというよりも、読者自身が感動したり気づいたりしたことを、対話によって引き出し、考えを深める手助けをする。この授業を契機として、これからの読書経験を豊かなものにしてほしい。 |
評価方法: | 面談とレポート(1200字程度、採点後返却する)。 |
テキスト名: | 戸井 十月『チェ・ゲバラの遥かな旅』集英社文庫、2008年 |
フィデル・カストロの率いる「7月26日運動」に破れたバティスタ将軍は1959年1月1日にドミニカ共和国に亡命、1952年以来続いたキューバのバティスタ軍事独裁政権は崩壊し、革命政権が樹立された。盟友カストロと辛苦をともにしてきたアルゼンチン人の若き医師エルネスト・チェ・ゲバラは以後、革命政府の国立銀行総裁、工業相を歴任しキューバ社会主義経済建設の一翼を担い、やがて「革命の輸出」を世界中に広め、ラテンアメリカ革命を実践すべく南米ボリビアに潜入した。そして1967年10月9日、ボリビアの山中で戦闘のすえにボリビア国軍に捕えられ、処刑された。カッと見開いたチェの目蓋は誰が押さえても閉じなかったという。医学生時代に、パブロ・ネルーダが讃歌してやまないアメリカ大陸を彷徨い、収奪されたラテンアメリカの現実を目の当たりにしたチェ・ゲバラの革命家としての短くも激しい足跡を、人を愛し続けた永遠の旅人の人となりを、あますところなく本書は描く。ビデオ「戸井十月〜チェ・ゲバラの遥かなる旅」、映画「モーターサイクル・ダイアリー」を鑑賞しながら、今なお、国境を、そして言葉を超えて世界中の人々の中で生きているチェ・ゲバラの人間像に迫る。 |
注意事項: |
この授業は、教室で定期的に行われるものではなく、本を推薦した教員と受講生との間で個別的に行われる。受講希望者に対する履修説明会を学期始めに開催する。希望者多数の場合は人数制限を行う。課題本を昨年度以前に読んだ者の履修は認めない。 授業は、柳沼個人研究室(1号館3階)で行うが、具体的には説明会の会場で決定する。「メーリングリスト」の連絡網によって周知・案内する。 履修制限:特に制限しない。 |