後期 集中講義へ |
本を読む−24 オウム問題と日本社会 |
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30005124 |
「本を読む」は、一冊の本を読みとおすことを通じて本を読む面白さ、奥深さを体験し、読書する習慣を身につけてもらうことを企図したものである。さまざまな分野の教員が自らの専門の見地から、学生に読んでもらいたい本(新書等)を推薦している。本を推薦した教員は、本に書かれていることを解説するというよりも、読者自身が感動したり気づいたりしたことを、対話によって引き出し、考えを深める手助けをする。この授業を契機として、これからの読書経験を豊かなものにしてほしい。 |
評価方法: | 面談とレポート(1200字程度、採点後返却する) |
テキスト名: | 大澤真幸『増補 虚構の時代の果て』筑摩書房(ちくま学芸文庫)、2009年 |
1995年3月、オウム真理教による地下鉄サリン事件が起こった。今して思えば、9・11同時多発テロ事件の予告編であったかのようにも思われるこの事件は、最新のテクノロジーを利用する宗教テロリズムに人々が恐怖する時代が到来したことを示すものだった。気鋭の社会学者、大澤真幸は1996年に『虚構の時代の果て』(ちくま新書)を発表した。本書は1996年にオウム問題を分析する著作『虚構の時代の果て』(ちくま新書)を発表した。本書はこの書の増補版である。オウム真理教は狂った教祖に操られた例外的で異常な集団として片付けられることも多いが、大澤は90年代までの日本の社会、文化、思想とオウムとのつながりを丹念に分析し、われわれとオウムとの距離はそれほど遠いものではないことを解き明かす。オウム問題だけでなく90年代までの日本文化を理解するためにも、本書は有益な一冊である。本体1200円(税別)。 なお、2009年版ではなく、1996年版の『虚構の時代の果て:オウムと世界最終戦争』(ちくま新書)の方を購入しても構わない。 |
注意事項: |
この授業は、教室で定期的に行われるものではなく、本を推薦した教員と受講者との間で個別に行われる。受講希望者に対する履修説明会を学期初めに開催する。希望者多数の場合は人数制限を行うことがある。課題本を昨年度以前に読んだ者の履修は認めない。 菊地個人研究室:4304号室(4号館3階)にて,火曜または水曜の昼休み及びその前後の時間におこなう。 履修制限:履修者は最大で10名程度。 |