後期(火・2)時間割表へ
    政治学II
  日本の「国際貢献」論
NAGAI HIROSHI 
永井 浩
2単位 
1〜4 
後期 
30002100

日本の国際的役割について多様な視点から考察する。主要なテーマは、日米同盟を軸とする自衛隊の「国際貢献」とアジアとの関係を中心としたODA(政府開発援助)。これらの問題を日本国憲法に立ち戻りながら検討し、わたしたちが21世紀の世界に発信すべき真の「平和」モデルとは何かを考えたい。

評価方法: 期末の試験・レポートが中心だがその他の要素も加味して総合的に判断する。

テキスト名: テキストは特に指定しないが、参考書は授業中に適宜紹介する。

注意事項: 講義で関心をもったテーマやトピックについて自主的な研究をしてほしい。そのためには、メディアをつうじて国際問題に対する日本の動きにつねに注意をはらうようこころがけてほしい。

授業計画――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
1. 国際貢献を考えるための基本的視点
 国際関係の仕組み。近代日本の日本の国際的位置
2. 湾岸戦争と「国際貢献」論の台頭
 「一国平和主義」批判。「湾岸のトラウマ」論。アジアはどう見たか
3. 自衛隊のPKO参加からイラク派兵へ
 PKO協力法。日米安保の「再定義」。「対テロ戦争」支援
4. 日米同盟の強化と日本国憲法の空洞化
 対米軍事支援としての国際貢献。国際社会からの孤立
5. 国際社会のなかの平和憲法
 国際政治の現実と平和憲法の理想。国際社会の見方
6. ODAによる非軍事的「国際貢献」
 政府開発援助(ODA)とは。日本外交の武器として
7. 対アジア外交と経済協力(1)東南アジアと日本
 戦時賠償からのスタート。ASEANとの関係強化 
8. 対アジア外交と経済協力(2)中国・韓国と日本
 日韓国交正常化と経済協力。日中国交正常化と経済協力 
9. 「未来志向」と過去の克服
 アジアと日本の構造的変化のなかで
10. 曲がり角に立つ日本のODA
 ODAの評価。ODA大綱。日本型ODAの特徴

11. 開発と平和をめぐる概念の転換
 伝統的な開発概念と新しい概念。平和の概念の拡張 
12. 新しい平和モデルの創造へ
 貢献資源としての経済力と平和憲法。多様なアクターの参加