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    哲学IB
  「悲劇」の哲学
UEDA KAORI 
植田 かおり
2単位 
1〜4 
前期 
30000402

 おそらく人はみな、楽しく、平和に生きたがっている。しかし、西洋古代ギリシア時代の昔に芸術ジャンルとしての「悲劇」が誕生し当時の芸術文化の絶頂を極めただけでなく、哲学者の考察対象ともなった。しかも、それらの悲劇作品や悲劇をめぐる哲学は時代を超えて現代においても価値を持ち、西洋のみならず日本においても芸術作品や思想に新たな息吹を吹き込んでいる。なぜ人は悲劇を求めるのだろうか。この講義では、西洋文化における悲劇の歴史的な価値と、悲劇をめぐる哲学の考察を通じて、悲しみ、恐れ、憐れみなどに心を揺さぶられる経験に価値を見いだす人間の本性について考えていくことにする。

評価方法: 期末試験で評価する。

テキスト名: 授業内で適宜指示する。

授業計画――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
1. 授業のイントロダクション:哲学とは何か1
2. 哲学とは何か2
3. 叙事詩の悲劇性:『イリアス』1
4. 叙事詩の悲劇性:『イリアス』2
5. ディオニュソス信仰とオルフェウス教1
6. ディオニュソス信仰とオルフェウス教2
7. プラトン哲学と悲劇1
8. プラトン哲学と悲劇2
9. 芸術ジャンルとしての「悲劇」の成立と展開1
10. 芸術ジャンルとしての「悲劇」の成立と展開2
11. アリストテレス哲学における「悲劇」の分析・価値づけ1
12. アリストテレス哲学における「悲劇」の分析・価値づけ2
13. まとめ:人間本性と悲劇