大学院 集中講義へ
    言語習得研究
  言語の生得的知識の発現
MATSUOKA KAZUMI 
松岡 和美
4単位 
  
集中 
91104030

乳幼児の第一言語獲得の理論的意義と方法論を、言語のモジュール別に概観することにより、発達心理学と理論言語学(特に生成文法)にまたがる分野横断的な視点を得ることがこの授業の主たる目的である。その過程で、言語発達における生得的要因と環境的要因についてバランスのとれた知見を持つことの重要性を理解する。時間が許す限り、異なるモダリティ(手話・音声言語)において普遍的に観察される言語知識の発現についての講義を含める。文献発表や授業内でのディスカッションを通して、批判的に文献を読む訓練の機会を得る。

評価方法: 授業への貢献度(課題含む):25% 指定文献の発表:25% 試験:50%

参考文献: Guasti, Maria Teresa, Language Acquisition: The Growth of Grammar, MIT Press, 2002
中井悟・上田雅信 編著『生成文法を学ぶ人のために』世界思想社2004
酒井邦嘉言語の脳科学中公新書2002

  テキストは授業内で指示する。

注意事項: 授業での質問・コメントなど、履修者の積極的な参加を授業運営の前提とする。生成文法の予備知識があることが望ましい。

授業計画――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
1. オリエンテーション
音韻知識の獲得
2. 語彙知識の獲得
インプット研究とプラトンの問題
3. 獲得研究の方法論
統語知識の獲得
4. 学生による指定文献の発表
言語のモジュール仮説
5. 言語獲得における生得的要因と環境的要因の考察
6. 特殊な環境下における言語獲得
試験