グローバル化している日常生活で構築されているアイデンティティ形成を探るための様々な視点を検証していく。いかに人は、無意識のうちに、ジェンダー、社会階級、結婚制度などに絡み取られる「幻想」の文化の網の中に生きているかを考えてもらいたい。我々は言葉を通じてコミュニケーションをはかろうとしているが、実は、根源的に誤解や不満や葛藤や欠如感などがあふれている。そうした喪失感などに悩まされたり、喜びや安堵感などを感じたりしていきながら、人は多様にアイデンティティを創っている。人がいかに「幻想」を構築し、何に憧れ、そこにどのような「物語の舞台の装置」の存在があるかを学んでもらいたい。人間の行動とアイデンティティの在り方を理解し説明し記述するための、米、英、仏などで発達した視点、諸理論などの解説書を講読。文献の精読、発表、ディスカッション、その他の課題などを通じて、そうした理解が、いかに我々の日常生活にあてはめられるかを検討する。受講生は、異文化/他者理解の手法や視点や理論を自分のものとして身に付けてそれを実践できるようにすることが目的である。リーディングは、アイデンティティとジェンダーに関する諸理論を検証。各自興味あるテーマを見付け、それを中心に各自で文献調査をしていく。二年目の受講生は昨年度の理解を更に深めていくことと同時に、自分の研究テーマに焦点をあてた文献調査とフィールドワークと関係する文献を読んでいきながら、論文としてまとめていくことを目指す。
|