後期(火・4)時間割表へ
    ブラジルの政治・経済II
  ブラジルの対外関係
KOYASU AKIKO 
子安 昭子
2単位 
2〜4 
後期 
56002400

1990年代半ば以降続くブラジルの「積極外交」の国際関係におけるダイナミズムと意義について考察する。南米ブラジルは第2次世界大戦以後むしろ外交においては目立たない国であり、それはしばしば「ロープロファイル」(低姿勢)外交ともいわれてきた。しかしながら近年ではとくにWTO(世界貿易機関)などの通商交渉や、昨今注目を集めているバイオエタノールを巡り、活発に先進国・途上国との資源外交を展開している。また今日ブラジルの外交パートナーは、アフリカ諸国、インド、中国、中東諸国など非常に多様である。ブラジルはこうした積極的な外交戦略を通して何を得ようとしているのか。授業ではそうした変化を遂げるブラジル外交について個々の事例を取り上げながら、その特徴を明らかにするとともに、「グローバル・ガバナンス」の視点からブラジル外交戦略について考えていきたい。
なお授業スケジュールの後半は学生によるプレゼンテーションを予定している。ブラジルの世界における役割はどうなるのか、ブラジルのみならず発展途上国は今後世界においてどういった外交を展開するのか、などに関心のある学生諸君の受講を期待する。

評価方法: 学期末テスト(50%)+プレゼンテーション(30%)+出席および授業参加(20%)

テキスト名: 授業内で参考資料を配布する。

授業計画――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
1. ルーラ現政権の政治・経済についての概説
2. 戦後ブラジル外交の流れ
3. 1990年代以降のブラジル外交について(メルコスール)
4. 1990年代以降のブラジル外交について(カルドーゾ政権の外交戦略)
5. 米国の対ラテンアメリカ政策(9.11以後の米国とラテンアメリカ、南米の左傾化と米国など)
6. 米国の対ラテンアメリカ政策(ブッシュ政権下の米国とラテンアメリカ、2008年大統領選挙とラテンアメリカなど)
7. ルーラ政権の外交(中国、インドを中心とするアジア地域との関係)
8. ルーラ政権の外交(アフリカ、中東地域との関係)
9. ルーラ政権の外交(欧州・米国との関係)
10. 学生によるプレゼンテーション(数回)