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児童文化論A ファンタジーにおける欲望・家族・ジェンダー |
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恋人、狂人、詩人は想像力にあふれているので、他の人の目には見えないものが見える、とシェイクスピアはいう。 ファンタジーはまさしく想像力の産物である。ではファンタジーは荒唐無稽なフィクションにすぎないのだろうか? 私たちが生きている現実社会とは、まったく無関係なのだろうか? それとも、私たちには見えていなかったことに気づかせてくれるのだろうか? ファンタジーの主人公は、しばしば現実社会とは異なる価値基準をもった世界で、日常とは違う視点から自分を見つめなおしたり、さまざまな出会いをとおして他者との関係の新しい可能性を模索したりする。この点で、ファンタジーは、私たちがあたりまえに思っている「常識」や「現実」の価値観を異なる視点から問題化する。 J. R. R.トールキン『王の帰還』、J.K.ローリング『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』、小野不由美『月の影 影の海』、上橋菜穂子『精霊の守り人』を読む。さまざまな家族像や女性の表象を分析して、無意識の欲望、ジェンダー、家族の問題を考えながら、他者との多様な関係の可能性を探る。 |
評価方法: | 平常点と期末試験により評価する。 |
テキスト名: |
J. R. R.トールキン『王の帰還(上・下)』評論社、2001年 J.K.ローリング『ハリー・ポッターと炎のゴブレット(携帯版)』静山社、2006年 小野不由美『月の影 影の海(上・下)』講談社文庫、2000年 上橋菜穂子『精霊の守り人』新潮文庫、2007年 |