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    スペイン経済論II
  現代スペイン経済の諸相と展開
TOKADO KAZUEI 
戸門 一衛
2単位 
2〜4 
後期 
43400600

スペインでは、グローバリゼーションの潮流ともあいまって、急速な経済の国際化が進展している。
まず第1は、EU経済通貨統合のインパクトである。2002年から現金ユーロを採用し、長年使い慣れたペセタが消滅した。この変化は現代スペイン経済に大きな影響を及ぼしている。マクロ経済の安定化、特に財政再建では顕著な成果が見られ、財政赤字を是正して財政黒字を達成している。
第2は、EUの拡大と深化のプロセスの中で、急増する移民の波にどう対処したらいいのかなど、新たな問題に直面している。今のところ、移民増は経済成長率の上昇につながるなどズペイン経済にプラスの効果をもたらしている。なぜなら、少子高齢化が急速に進む中で、移民増によって総人口が増え、これがスペイン経済の潜在成長力を高めているからである。
これらの課題を具体的に検証するために、EUとスペインの経済関係、ラテンアメリカとスペインの経済関係、外国投資と貿易との連関、経済政策、金融市場、労働市場など現代スペイン経済の主要な側面について考察を行う。

評価方法: 評価方法:出席点 約25点、ミニレポート 5回(各5点) 25点、筆記試験 約50点の計100点で評価する。

テキスト名: 適宜プリントを配布する。最近のテーマについては英文(時には西文)資料を使用することもある。
最近の参考文献としては以下のものがある。
財務省財務総合政策研究所『経済の発展・衰退・再生に関する研究会報告書』www.mof.go.jp/jouhou/soken/kenkyu.htm、2001年

注意事項: スペイン経済論Iをすでに履修済であることが望ましい。経済の知識がない学生をも念頭に入れて授業を進める。

授業計画――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
1. EUとスペインの経済関係
2. ラテンアメリカとスペインの経済関係
3. スペイン経済の内なる国際化と外への国際化(外国直接投資の動向)
4. ユーロ導入のための経済収斂計画
5. 金融政策の展開
6. 財政政策の展開
7. 自由化と規制緩和
8. 労働市場改革
9. 産業政策と技術革新
10. EU構造改革基金とスペインの地方開発
11. スペイン経済の課題
12. スペイン経済の実態から「真の豊かさ」を問う!