後期(木・2)時間割表へ
    スペイン文学史II
  
HONDA SEIJI 
本田 誠二
2単位 
1〜4 
後期 
43300400

この授業はスペイン文学史の継続であり、原則として講義形式等は文学史と同じである。黄金世紀の後半部分であるバロック(16世紀後半から17世紀全般)を中心として扱う。内容としてはスペイン独自の文学ジャンルであるピカレスク小説、牧人小説、神秘主義文学、国民演劇等を概観することで、黄金世紀文学の代表作について学ぶ。

評価方法: 定期試験および出席点、平常点を加味して総合的に評価する。

テキスト名: 本田誠二スペイン文学史私家版2008

参考文献: 牛島信明スペイン古典文学史名古屋大学出版会1999
有本紀明・東谷スペイン文学史白水社1980

  最初の授業時に参考文献一覧を提示し、解説する。

注意事項: 授業は講義形式によるが、履修者の主体的な取り組みを望む。そのためにも各々が関心をもった作家や作品について、参考文献一覧を参照して、図書館等で作品について前もって読んでおくことが望ましい。また文庫等で手に入れやすいものは購入を勧める。ノートをしっかりととることが求められる。試験はノートのみ持込可である。

授業計画――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
1. バロックとはなにか。文学的定義とスペイン的特性
2. 作者不詳『ラサリーリョ・デ・トルメスの生涯』―スペイン・ピカレスク小説の原点
3. マテオ・アレマン『グスマン・デ・アルファラーチェ』―教訓的ピカレスク小説
4. フランシスコ・デ・ケベード『ブスコン』と奇想主義(コンセプティスモ)
5. ホルヘ・デ・モンテマヨール『ディアナ』と牧人小説
6. ミゲル・デ・セルバンテス『犬の対話』と『ガラテア』
7. ミゲル・デ・セルバンテス『ドン・キホーテ』
8. フライ・ルイス・デ・レオン『キリストの御名について』と禁欲主義文学
9. フライ・ルイス・デ・グラナダ『使徒信経』とキリシタン文学
10. サン・フアン・デ・ラ・クルス『霊の賛歌』と神秘主義
11. サンタ・テレサ・デ・ヘスス『完徳の道』と女性文学
12. ロペ・デ・ベーガ『フエンテ・オベフーナ』と国民演劇
13. ティルソ・デ・モリーナ『セビーリャの色事師と石の招客』―ドン・フアン劇の原点
14. カルデロン・デ・ラ・バルカ『人の世は夢』と聖体劇
15. バルタサール・グラシアン『クリティコン』と奇想主義