前期(金・2)時間割表へ
    米国研究入門ID
  アフリカ系アメリカ人研究(前編)
KUROSAKI MAKOTO 
黒崎 真
2単位 
1〜4 
前期 
41402104

米国研究には様々な分野があるが、その中でも白人・黒人関係に関する研究は、今日に至るまで重要な位置を占めてきたものの一つである。そこで本授業では、米国研究の入門として、アフリカ系アメリカ人研究を取りあげる。その際、全体を通して、政治、法、経済、宗教、人種差別とステレオタイプ、食文化といった多様な切り口を導入していく。「歴史編」では、主として19世紀末までのアフリカ系アメリカ人の歴史的歩みについて概観する。「応用編」では、「歴史編」で獲得した知識を活用すると、さらにどのようなテーマを新たに設定することが可能になってくるかについて、具体例をいくつか紹介する。それにより学生は、19世紀末までの過去の出来事が、さまざまな意味において現在とも関連性をもっており、また現在に影響を及ぼしていることを発見するであろう。授業は講義形式で行い、OHCやビデオを使用する。また、参考となる文献や映画の紹介も行う。

評価方法: 出席、リアクション・ペーパー、学期末課題(試験またはレポート)による総合評価
(詳細は第一回目の授業で説明)

参考文献: 猿谷要歴史物語アフリカ系アメリカ人朝日選書2000
本田創造アメリカ黒人の歴史岩波新書1986
アンドリュー・ハッカー、上坂昇訳アメリカの二つの国民明石書店1994

  その他の参考文献は、授業で随時紹介していく

注意事項: 前期の「米国研究入門D」と後期の「米国研究入門D」はワンセットと考えてもらいたい。したがって、本授業の履修者は、後期に引き続き「米国研究入門D」を履修することが望ましい。
履修者は150名程度。履修希望者多数の場合は、人数制限をすることもある。

授業計画――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
1. イントロダクション 
2. I.【歴史編:19世紀末まで】
  大西洋奴隷貿易
  法と黒人―独立宣言、合衆国憲法、連邦最高裁―
3.   経済と黒人―南部綿花王国の出現―
4.   宗教と黒人―奴隷支配のキリスト教と奴隷解放のキリスト教―
5.   南北戦争の原因1
6.   南北戦争の原因2
7.   南北戦争1―黒人の視点から―
8.   南北戦争2―黒人の視点から―
9.   南部の再建と法的人種隔離制度の確立
10. II.【応用編】
  奴隷制は過去のものか?
11.   「人種」という概念を考える
12.   歴史的ステレオタイプ―マミー、ジェゼベル、トム、野獣―
13.   食文化―「ソウル・フード(soul food)」―
14. 学期末課題(試験またはレポート)