後期 集中講義へ
    本を読む−24
  「西洋」はなぜ憎まれるのか?
KIKUCHI TATSUYA 
菊地 達也
1単位 
1〜4 
後期 
30005124

「本を読む」は、一冊の本を読みとおすことを通じて本を読む面白さ、奥深さを体験し、読書する習慣を身につけてもらうことを企図したものである。さまざまな分野の教員が自らの専門の見地から、学生に読んでもらいたい本(新書等)を推薦している。本を推薦した教員は、本に書かれていることを解説するというよりも、読者自身が感動したり気づいたりしたことを、対話によって引き出し、考えを深める手助けをする。この授業を契機として、これからの読書経験を豊かなものにしてほしい。

評価方法: 面談とレポート(1200字程度、採点後返却する)。

テキスト名: I. ブルマ& A. マルガリート(堀田江理訳)反西洋思想新潮社<新潮新書>2006

  「西洋」が「東洋」を認識する場合の思考の枠組みをオリエンタリズムといい,今なおオリエンタリズムは偏見に満ちた歪んだ東洋イメージを再生産している。一方,本書が主題とするオキシデンタリズム=反西洋思想とはオリエンタリズムの裏返しであり,非西洋から見た否定的な西洋 (主に英仏とアメリカ) 像を指している。事例として取り上げられるものは,ナチス思想,戦前日本の思想,毛沢東主義,イスラム原理主義など実に多種多様である。一見すると歴史的背景も思想内容もバラバラであるが,反西洋思想という側面に光を当てれば意外な共通点も発見されるだろう。受講者には,本書を通じて西洋嫌悪が生まれる共通の背景について考えてもらいたいものである。本体720円(税別)。

注意事項: この授業は、教室で定期的に行われるものではなく、本を推薦した教員と受講者との間で個別的に行われる。受講希望者に対する履修説明会を学期初めに開催する。希望者多数の場合は人数制限を行う。課題本を昨年度以前に読んだ者の履修は認めない。
菊地個人研究室:4304号室(4号館3階)にて,火曜または水曜の昼休み及びその前後の時間におこなう。
履修制限:履修者は最大で10名程度。