後期(木・2)時間割表へ
    哲学IIB
  「時間」について考える-2
UEDA KAORI 
植田 かおり
2単位 
1〜4 
後期 
30000502

 時計が刻む「時間」とは別の、心の時間とでも呼ぶべき時間論について考えていきたい。時計を見なくても、心の中で時間は流れていく。例えば、我々は同じ1時間を過ごしても長く感じたり、短く感じたりすることがある。また、例えば音楽を聴くときや映画をみるとき、我々はその作品の持っている独特な時間の流れを共有することによって、生の実感を得ることがある。時間が真に切実な問題であり続けるのは、ある時生まれ、ある期間成長し、いつかある時必ず死ぬ時間的存在である我々人間にとってであろう。そうした我々にとって本当に重要な「時間」とは、時計が刻む時間ではなく、生きる人のこころにまざまざと感じる時間なのではないのだろうか。今期は、こうした心の時間について独自の時間論を作り上げたベルクソンの時間論を通じて、時間について考えを深めたい。

評価方法: 試験で評価する。

テキスト名: テキストと参考文献は授業内で紹介する。

授業計画――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
1. イントロダクション。「時間とは何か」の問いとは何か
2. 「時間論」とは何であったか1 宇宙論と時間論
3. 「時間論」とは何であったか2 魂論と時間論
4. 近代以降の哲学史的課題
5. ベルクソンの位置
6. ベルクソンの時間論1
7. ベルクソンの時間論2
8. ベルクソンの時間論3
9. ベルクソンの時間論4
10. ベルクソンの時間論5
11. ベルクソンの時間論6
12. ベルクソンの時間論7
13. まとめ