前期(木・2)時間割表へ
    哲学IB
  「時間」について考える
UEDA KAORI 
植田 かおり
2単位 
1〜4 
前期 
30000402

 日本には「時がめぐる」という表現がある。「めぐる」とは、文字通りには「回る」「繰り返す」ことである。例えば、「四季がめぐる」とは春夏秋冬が繰り返していくことである。繰り返すからには、そのような「時間」は始めも終わりもない円環のイメージをもつことになる。他方で、無からの創造に始まり、最後の審判に終わる歴史観を持つ文化圏では、時間は、始めと終わりを持った直線のイメージをもつものとなる。このように、「時間」の概念は文化ごとに異なる。「時間」は、客観的物理的事実である以前に、人間生活に密着した文化なのである。
 このような立場から、前期は主に西洋古代〜中世の代表的な時間論の概観を通じて、「時間」とは何かという問いを考えていくことにしたい。


評価方法: 試験で評価する。

テキスト名: 参考文献は授業内で指示する。

授業計画――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
1. この授業のイントロダクション
2. 「時間」を問うことの意味
3. 神話的時間
4. ソクラテス以前の哲学者における時間
5. プラトンにおける時間1
6. プラトンにおける時間2
7. アリストテレスの時間の定義1
8. アリストテレスの時間の定義2
9. プロティノスにおける時間1
10. プロティノスにおける時間2
11. アウグスティヌスにおける時間1
12. アウグスティヌスにおける時間2
13. まとめ