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    地域・国際研究演習-9
  愛と正義の政治論
AOYAMA HARUKI 
青山 治城
4単位 
3〜4 
通年 
60401809

 日本国内においても、現在、様々な政治問題が吹き出している。例えば、民主主義の要請として各地で住民投票条例が成立しているが、これは憲法の間接民主主義(議会主義)とは矛盾する側面をもつ。また環境問題をとっても、それは現代世代と未来世代の間の「世代間正義」の問題となる。夫婦別姓問題や同性婚、男女共同参画社会基本法、人工授精や遺伝子操作などは一夫一婦の伝統的(?)婚姻制度の根幹に関わる(愛と権利の)問題である。小泉「構造改革」路線の背後には「市場」を中心とするネオ・リベラリズムの思想があり、そこには経済的格差の拡大ばかりでなく、「教育」のあり方にも大きな影響を与える問題がある。
 国際的には、いわゆる「テロ」対策のあり方について、従来の国家的安全保障と人間の安全保障、愛国主義と国際主義、外国人労働者の受け入れ問題、靖国問題等々、多くの関連する難問が浮かび上がっている。これら関連する諸問題に対しては、特定の問題として個別に対処するのではなく、人権とは何か、国家とは何か、戦争とは何か、民主主義とは何か、男女の関係とはどうあるべきか等、根本的に考えて見る必要のある問題ばかりである。
 特定の授業を受講していることを条件とはしないが、本ゼミに参加しようとする者は、できるだけ自分の問題関心を明確にしておくこと。3、4年通しての参加を原則とする。自分の問題を他の参加者に理解させることができるよう、報告の機会を多く設け、議論を中心にしていきたい。自分で問題を発見し、自分で考え、それをまとめて相手に理解させることが重要となる。

評価方法: 演習では毎回の参加が不可欠。各回の報告とレポート(ゼミ論)で評価する。

テキスト名: 受講者の関心を見て、3年生については共通テキストを指定する場合もある。4年生は、すぐに卒論制作にかかる。

注意事項: 3、4年生とも、卒論執筆の意思の有無にかかわりなく、ゼミ論文を書いてもらう。