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比較文化研究演習-6 道元を学ぶ |
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本年度は『正法眼蔵随聞記』を読む。 本書は、日本の鎌倉時代の禅宗の僧である道元の言動を、その弟子だった懐奘が書き留めたものである。 道元はその著書『正法眼蔵』で知られる。『正法眼蔵』は言語を超えた真理の把握を特徴とする禅宗の中になり、真理のあり方、真理への接近などについて、語り尽くそうとする書物であるが、その主題から予想されるとおり、内容・表現ともにきわめて難解であることで有名である。それに対し、『正法眼蔵随聞記』は道元の言動をもっとも身近に仕えた懐奘が、敬意をこめて描き出したもので、道元の入門書としてひろく読まれてきた。また、日本人の思想の一つの典型を示しているものとも考えられ、日本の文化・宗教を理解するするために適した文献である。 この授業では、道元を絶対的な真理の具現者として位置づけることはしない。むしろ、その仏教理解の独自性や特異だ、人間道元の実際の姿を捉えることを主眼とする。また、『随聞記』を読む一方で、関連する文献を併せて読んでいく予定である。具体的には道元の文章で、その思想の基本的な内容をよく表現している、「普勧坐禅儀」「正法眼蔵・辨道話」などを考えている。 |
評価方法: | 学期末ごとに2回のレポート提出を求める。また、毎回、出席することが原則である。(理由のある場合は、その限りではない。) |
テキスト名: | 水野弥穂子『正法眼蔵随聞記(ちくま学芸文庫)』筑摩書房、1992年 |
『正法眼蔵随聞記』は講談社学術文庫のものでもよい。 学内の書籍売店の教科書販売として扱わないので、各自、用意すること。 |
注意事項: | 授業は受講者が担当部分の内容についてレポートし、その内容をめぐって話し合いを行う形で進行する。したがって、受講者は、担当者が発表する範囲を予習してくることが必要である。また、発展的な学習を行う意欲をもって参加してほしい。 |