後期(火・3)時間割表へ
    タイの文化・芸術 
TAKAHASHI KIYOKO 
高橋 清子
2単位 
2〜4 
後期 
タイ文化への社会言語学的・言語人類学的アプローチ
56003700

 タイの文化は、タイ族固有の文化の上にインド文化、中国文化、マレー・ジャワ文化、西洋文化などが積み重なった重層的な文化である。タイの人口の80%以上はタイ族だが、昔からタイの土地には多くの民族が往来し、異民族がともに暮らしてきた。タイ社会は決して均質的な社会ではない。同じタイ系民族でも地域ごとに生活様式に差が見られ、都市と農村の間には生態的・文化的な差があり、階層間には貧富の差がある。
 しかしタイ社会に暮らす人々に共通する生活文化がある。例えば、訪問者には親切に接し、年長者には恭しい態度をとる。各々の立場(地位や役割)をわきまえることを善しとし、礼節を重んじる。恩義ある人々に気遣いや遠慮の気持ちを持つ。親切であること、人助けすることに価値を置き、他人から気前が悪い、寛容でないと見られることを嫌う。お互いの立場を細かく考察して人間関係を設定し、それに合った言葉遣いをし、あるいは身振りをしようとする。一個人として自分の好みをはっきりさせて人付き合いする、等々。
 タイの人々のこうした価値観や規範意識、あるいはタイ社会における人付き合いの特徴は、タイ語の語彙体系や決まり文句、語彙の選択の仕方、表現の仕方、話の運び方などに反映されている。この講義では、社会言語学および言語人類学の視点からタイの社会構造を読み解き、タイの文化全般について理解を深めることを目指す。  

評価方法: 出席状況、講義参加態度、課題への取り組み、試験結果から総合的に評価する。



  開講後に指示する。


授業計画――――――――――――――――――――――――――――――