後期(木・3)時間割表へ
    タイの民族・地理
  「多民族国家」タイ国の理解
KATAOKA TATSUKI 
片岡 樹
2単位 
2〜4 
後期 
56002000

タイ国は多民族社会であり、一方でタイ系民族といわれる人々はタイ国の国境を超えて分布している。ではそこで「タイ人」とは誰なのか?「タイ社会」とは何なのか?そういった疑問が生じるはずである。本科目では、この疑問に答えていくというよりはむしろ、疑問を深めていく作業を通じ、より奥行きのあるタイ研究への問題意識を養いたい。そのために授業では、タイ国を構成する諸民族について、できるだけ多くの実例にふれながら理解を深めていくことをめざす。授業の進め方であるが、受講生各自の文献報告を中心とし(文献は原則として日本語)、それに対する質疑応答、補足説明をもって構成していく予定である。授業にあたっては、ほぼ毎回宿題を課すほか受講マナーについて厳しい注文をつける場合もあるが、努力に比例して実力のつく内容であるので、受講生自身が授業に熱心に参加することを特に望む。

評価方法: 期末レポート、宿題、文献報告に平素点を加味して行う(それぞれ4分の1ずつを予定)。平素点の算定にあたってはディスカッションへの参加を特に重視する。

参考文献: 綾部恒雄、林行夫編タイを知るための60章明石書店2003

  教科書については特に定めずこちらから適宜プリントを配布する。ただし受講に当たっては、上に掲げた参考文献を併読することが望ましい。

授業計画――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
1. 「多民族国家」タイ国の概観
2. タイ・ナショナリズムの歴史
3. 華僑について1:概説
4. 華僑について2:華僑移民史と対華僑政策
5. 華僑について3:民系ごとの違い
6. 印僑について
7. マレー系回教徒について
8. 山地少数民族について1:概説
9. 山地少数民族について2:山地少数民族と冷戦
10. 山地少数民族について3:「民族」とは何か?
11. タイ国の先住民族
12. タイ系少数方言集団と地域主義1:東北部
13. タイ系少数方言集団と地域主義2:北部
14. タイ国を越えて広がるタイ(Tai)社会
15. その他の少数民族