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    タイの政治・経済I
  
MIYATA TOSHIYUKI 
宮田 敏之
2単位 
2〜4 
集中 
56001800

現代タイ経済を理解する上で重要と思われるトピック、アジア通貨経済危機とFTAの進展について理解を深める。(1)1997年タイを震源地としたアジア通貨経済危機の実像とその後の経済回復、さらにはタクシン政権の経済政策などを具体的に検証する。同時に、(2)タイを取り巻く自由貿易体制の枠組み、特に、タイのFTA戦略やASEAN・中国・日本に関わるFTAや地域協力の動向も検証する。また、第二次世界大戦後にさかのぼって、どのようにタイの政治経済が移り変わってきたかを確認する。さらに、タイ経済に関わる重要トピックとして、タイの米について取り上げ、検証する予定である。

評価方法: 出席7割以上を要する。
授業時間内の小テスト・コメント提出(40%)及びレポート提出(60%)によって評価する。

テキスト名: プリントを配布して授業する。主な参考書として、末廣昭『進化する多国籍企業:いま、アジアでなにが起きているのか?』(岩波書店2003年)、末廣昭『キャッチアップ工業化論:アジア経済の軌跡と展望』(名古屋大学出版会2000年)をあげておくが、その他の参考書についても、開講時および授業中に紹介する。

授業計画――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
1. (1)現代タイ経済をどうみるか?1-1アジア通貨経済危機のインパクトとFTAの進展:タイにおける自動車産業発展の事例
2. 1-2キャッチアップ工業化論・輸入代替工業化・輸出志向工業化
3. (2)タイ経済とアジア通貨経済危機・回復2-1経済ブームから危機へ
4. 2-2危機のメカニズム
5. 2-3危機の影響
6. 2-4危機からの回復
7. 2-5タックシン政権下の経済社会政策
8. (3)タイ経済とFTAの進展:重層的な自由貿易体制の枠組み3-1WTO・APEC・東アジア共同体
9. 3-2ASEANと中国の経済関係
10. 3-3二国間FTA:タイ・シンガポール
11. 3-4日本とASEANのFTA・EPA
12. 3-5日本の構造改革とFTA・EPA
13. (4)タイ政治経済に関わる重要トピック タイ経済と米:ジャスミン・ライスを中心に