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    民族・宗教問題研究A
  アイデンティティ形成の多様性と普遍性
YOSHIDA MITSUHIRO 
吉田 光宏
2単位 
1〜4 
後期 
50501101

様々な社会における宗教、信仰、儀礼などの在り方は、各々の社会において多様なアイデンティティ構築に密接に関係している。検証する具体的なコンテクストは、2001/9/11のイスラーム系一部原理主義者によるアメリカの同時多発テロの意味、フィリピンにおける死の意味とキリスト教改宗の意味、ベドウィンの詩歌に込められるジェンダーの表現、インドの寡婦殉死の意味、スーダン北部のイスラーム社会の女性の通過儀礼に見られる人格の形成の在り方の意味、バリの世界観などを扱う。こうした人々の体験する宗教や儀礼や信仰や感情がどのようなに多様なアイデンティティ形成と関係しているかを紹介する。この多様な異文化/多文化の世界観や宗教の在り方におけるアイデンティティの構築のなされ方の多様な動態的様相を様々な角度から考察する。

評価方法: 1.試験:論述式のもの
2.クラスへの参加

テキスト名: 諸文献の抜粋を収録したのものを「コースパケット」にして使用

授業計画――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
1. イントロダクション
2. 2001/9/11の米国における同時多発テロにおいて交錯する宗教的意味の政治性
3. 人間の普遍的思考と日本人の思考:レヴィ=ストロース
4. アフリカ、アメリカ、東南アジア、メラネシアの諸民族の儀礼の在り方:ターナー
5. バリ人の世界観・生命観:ギアーツ
6. フィリピンにおける死への感情とキリスト教改宗の意味:ロザルド
7. 地中海沿岸イスラム社会の感情表現に見られる宗教的意味:フーコー
8. インドにおける植民地主義への抵抗と女性:デリダ
9. スーダン北部のイスラム社会の女性の宗教儀礼と世界観:ラカン