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    地域・国際研究講座 
TAKASUGI TADAAKI 
高杉 忠明
2単位 
1〜4 
前期 
「グローカル化」する国際社会を考える
50404500

「地域・国際研究講座」は、毎回専門分野の異なる教員を講師に迎え、さまざまな角度から「共通のテーマ」について考えてゆくオムニバス形式の講座(12回の連続講座)です。この講座のねらいは、@多彩な知識を吸収することよりも、政治学、経済学、国際関係論、歴史学などさまざまな視点から、現在私たちが直面している問題を読み解いてゆくことにあります。またこの講座は、A本学の専任教員が毎回講師として登場しますので、皆さんが各教員の個性を知る良い機会です。さらに、B4月に入学したばかりの学生諸君にとってこの講座は、2年次に選択する「研究プログラム」の選択に際し、自分がどの研究プログラムを履修したらよいのか?を考えるきっかけになるはずです。 今年の講座の共通テーマは、「‘グローカル化’する国際社会を考える」です。皆さんは、「グローカリゼーション」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?現在の国際社会は、交通・輸送・情報伝達手段の発達と市場経済の世界的拡大に伴い、地球的規模でカネ・モノ・ヒト・情報が行き交い、世界の各地域・各国間の相互依存性が増大して、物理的にも意識的にも世界が一体化してゆく状況が生じています。同時に、深刻化する環境汚染、人口爆発、食糧、エネルギー、戦争、テロ、貧困、エイズ、経済格差、国境を越える移民・難民の増大などの諸問題を国家の枠組みを越えた、地球市民的な視点に立って解決してゆこうという意識や行動も進展しています。しかし一方で、グローバリゼーション(globalization)を押し進めるアメリカのような覇権国家からの政治、経済、文化の侵入に対し、自分たちの文化の混乱や無秩序化への不安から、自国の民族的アイデンティティや伝統文化を守ろうとする活動が世界各地に生じています。このように、グローバリゼーションの進展は世界中に大きなメリットをもたらすと同時に、ローカル(地域的)な次元から反発や抵抗を呼び起こし、しばしば両者の間にはテロリズムのような軋轢や衝突を生み出します。こうした「グローバリゼーション」(globalization)と「ローカリゼーション」(localization)という二つの潮流が同時並存している状態を「グローカリゼーション」(glocalization)と呼びます。 では「グローカル化」する現在の国際社会には、どのような問題が存在し、私たちはそれをどのように理解していったら良いのでしょうか?この問いに対する答えを得る上で皆さんの一助になるようにとの思いから、今年は本学の専任教員が作成したテキスト『国際社会が見えてくる』を使用します。このテキストは、各教員が自分の専門分野から見て「グローカル化」する国際社会を理解する上で重要と考えるテーマを取り上げて、簡潔かつ平易に解説したものです。各章には「設問」や「参考文献」も記載されています。またこのテキストの第二部では、本学で開講されている一三のプログラムの中で国際関係に関する四つのプログラムでは、何が学べるのか、それを将来どのように活かしてゆけるのか、について分かり易く説明してあります。 将来、国際社会で活躍したいと思う学生諸君は積極的に履修することをお薦めします。  

評価方法: 出席を兼ねて、毎回授業の最後に担当講師のレクチャーについて感想文(リアクション・ペーパー)を提出してもらいます。また、学期末に各自が一番関心を持ったレクチャーを一つ選び、それに関する論述テストを行います。つまり、(1)毎回提出する感想文、(2)学期末テスト、(3)出席を総合して成績評価が決まります。

テキスト名: 神田外語大学地域・国際研究コース編『国際社会が見えてくる』2007年。(無料配布)さらに、担当教員が準備したハンドアウトも毎回配布します。



注意事項: この講座は2回まで履修することが可能です。昨年受講した学生さんも、今年受講できます。毎年「共通テーマ」が変わるので、各教員は同じレクチャーを繰り返すことはありません。すでに1回受講した人も今回のテーマに関心があれば、是非、受講して下さい。

授業計画――――――――――――――――――――――――――――――